ヤキモチの答え【カラ松】

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ぼろぼろと涙を流し続ける私の背中をぽんぽん、と赤ん坊をあやす様に規則正しいリズムでたたく

本能的なものなのかそれとも松野くんだからなのか…

とてつもない安心感に包まれた

「…ん」

つい眠たくなってしまった私はダメだと思いながらも瞼を閉じる

もう意識は微睡の中へと入っていた

「……」

ごめんさい、松野くん





目を覚ました時、視界に入ったのは少し薄汚れた白い天井だった

「…!大丈夫か!?」

まだ意識がハッキリしない中私の耳には少し低い、寝起きの頭には心地よすぎるくらいの優しい声が入ってきた

するとはっと今までの出来事を思い出して体を起こす

「ま、松野くん…」

慌てて謝ろうと口を開くとそれを遮るように松野くんが唇を動かした

「よかった…」

「え?」

「辛かっただろうから…、」

感情が胸にあふれてしまったのか言葉を途切れさせる松野くん

「でも、俺がもう少し早く行けたら…っ」

あぁ、なんて優しい人なんだろう

まともに話したこともない私にこんなに優しい言葉をかけてくれる

他人のために心から悲しむ

「……」

「だからごめ…ん」

「え!?早坂さん!?」

慌てたような松野くんの声に首を傾げると「なんで泣いてるんだ…?」と聞かれた

「(泣いてる…?)」

そっと自分の頬に触れてみると確かに濡れていた

「松野くんが…」

「?」

「松野くんが優しいから…」

多分、この涙は先ほどの悲しみや恐怖を思い出しての涙ではないと思う

他人のためにこんなに優しい気持ちを持っている松野くんに安心してしまったから

緊張の糸がぷつりと切れたから

「ありがとう…っ」

涙で視界が滲みながらも懸命に松野くんの顔をみて告げる

すると驚いたように固まった後、ふわりと微笑んだ

きりりと真っ直ぐな眉を困ったように下げて、なによりもかっこいい顔で

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