無終曲

第11話　帰ってきた悟飯 ページ38

『最新情報です。孫悟飯さんが発見されました。』

その言葉を聞いて、俺達の顔に光が差す。
悟飯は警察に何があったのかと何度も問われたが、ずっと家に帰りたいんです。としか言わなかったらしく
仕方なく警察は悟飯を解放した。
悟飯は家に帰ってくるなり、きひひひと不気味に笑い出す。
いつもの悟飯じゃないとみんな一瞬警戒する。
とりあえずお腹を空かせているようなので、料理をするためキッチンへ向かう。

「…ア…う…ひひっ…」
「悟飯、どうしたぁ…？」
「ブロリー兄さん、きひひっ、とぉっても、楽しかった事があるんです。」
「楽しかった事ってなんだぁ？」
「ナイショです」

数分し、机に食事を並べる。
机をみんなで囲む。

「「いただきます」」

みんなで手を合わせて、そう一言食材達に感謝し、お箸を持つ。
悟飯は何やら楽しそうに鼻歌を歌っている。

「…美味しいですよね。姉さんはとっても料理が上手なんですよ」

急に一人言を始めた悟飯。
誰と話しているのかわからないが、その話相手は悟飯の膝の上にいるらしい。
今思えば、俺にも我が主という周りの人には感知できない存在がいるのだ。
もしかしたら、悟飯にもそういう相手がいるのかも知れない。

＿見たい？その相手。

はい、凄く気になるので。

＿…目を閉じて、深呼吸をしなさい。そして、ゆっくり目を開けるの。

言われた通りに目を閉じ、深呼吸をする。そして、ゆっくりと目を開ける。
悟飯の膝の上に、可愛らしい少女が笑顔でうーうーと悟飯と同じ音色を歌いながら手をパチパチとリズムに合わせ叩く。
茶髪のミディアムヘアー。小学生くらいだろう。

『うーうー♪悟飯笑顔笑顔、笑顔はみんなを幸せにする！うー♪』

＿私より劣っているけれど、あれでも魔女よ。

魔女…あの小さな子どもが…

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