無終曲

第16話　一人で ページ16

「本当に知らないんですか？」

朝からずっと警察に聞き取り調査をさせられている。
知らないと何度も言ったのに、それでもなお聞き返してくるのだ。
…それに、俺は叔母しか殺してない。なのに叔父は消えてしまった。
……まさか、本当に祟りは存在する、のか？

「…知らない、かぁ…もう良いでしょう。また何か思い出しましたら言ってくださいね」
「…はい。協力できなくて、すいません。」

何処へ叔父は消えた。何故叔父は消えた。
……カカ達に聞けば、何かわかる？まさか。あいつらが殺すわけない。
でも一応、聞くか。

家に帰ると、玄関に見知らぬ靴があった。
まさか、警察…？
リビングに入ると、警察でなくただの引きニートの様な中年男性。

「やぁ、久しぶりだね。バーダック」
「え、と…、」
「お父さんだよ、覚えてないかい？」
「あ、あぁ、覚えて、る、かな」

誰こいつ。覚えてるわけないだろ。羽入、居るか？
＿居ますです…あの、その人はバーダックのお父さんで…あぅあぅ…とてもとても悪い人なのです
良い人は居ないのかよ…

「バーダック…可愛くなったね…今夜、いつもみたいにしてくれるかな？」

は？何言ってんだこいつ…まさか、アレじゃねぇよな…
＿あぅ…バーダックの言う通りなのです…。
嫌だッッこんな奴とやるのはごめんだ！！

「え、いや…ぁの」
「嫌だなんて、バーダックに拒否権はないから、ほら」
「止めろッッ触るなッッ」
「良いじゃないか。」

嫌だ嫌だ嫌だッッ殺してやる…こんな奴…
＿駄目なのです！！何度人を殺めれば済むのですか！！いつもいつも殺めてばかり…！！もう良いです…バーダックは一人でこの先を生きてくださいなのです！！
何、言って…？いつも…？

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