命をも盗む大怪盗 【文スト】

盗み_04 ページ5

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包帯くんは私を見るなり目を細め微笑み やァ 、と云って例の宝石を人差し指と親指で摘み乍ら私へ見せつけた。


其れは輝くことが使命であるかのようにキラキラと光を放つ





「 君に素敵な贈り物を貰ってね

お礼がしたくて先回りしてみたのだよ 」





いや、先回りで住所特定とかどうかしてるでしょ



相手に動揺を悟られまいと何時もの笑顔を作る。





『 人違いではないでしょうか？

此処は僕の家で一人暮らし、お恥ずかし乍ら誰かに贈り物をする程の稼ぎもないですよ 』





短時間での住所特定、殺人屋に襲われる迄跡をつけられた感覚はなかった

勿論襲われた後も。


………油断はできない、かな





太宰side



敦君と別れ、怪盗だと思われる者の家にまるで公園へ寄り道するかのように侵入する。


警戒を誘うように鍵を開け、暇なのでお酒でも飲んで居れば予想より早く帰宅の音が聞こえた。



ポートマフィアに狙われていることは既に把握済みだった


何故なら、怪盗に殺された者の六人中五人がマフィアに属する者だからだ。



あの森さんが動かない筈がない





「 やァ 」





驚いたことに怪盗(仮)は男性の姿へ為り変わっていた。


私を見て岩のように固まる怪盗に宝石を見せれば眩しそうに目を細める。

其れは私が昼に繁華街ですれ違った女性に仕込まれた宝石で

今も光を放ちながら紅く色ずいている。


おそらく仕込んだ女性は怪盗の変装だろう

先回りをした、と云えば怪盗は一瞬だけ指をピクりと動かし次に動揺を悟られぬように笑顔を貼り付けた。



私を騙す心算での演技だろうけれど、

バレバレなんだよなァ…





「 嘘は善くないなぁ 、



＿＿＿＿＿小豆沢(あずさわ) Aさん



否、こう呼んだ方が分かるかな？



＿＿＿＿＿ " 大怪盗 " 」





貴方side



バレた


見破られた


非常に拙い


マジ、どうしよ



正体が見破られる、其れはもう二度と宝石を盗むことができないと云うことを意図する。



今更取り繕ったところで容疑が大きくなるだけ



所謂 " 詰み " だ。





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