【ワールドトリガー】強くなりたい女の子の話-5round

クオリティ ページ7

訓練室を出ると応接室へと連れられて、蓮さんはどこからか、ガラガラとホワイトボードを持って来た。

蓮「何突っ立ってんだ？そこ座れよ」

A「あっ…はい」
遠慮がちにソファーに腰掛けると、蓮さんは説明に必要なのか、簡単なイラストを描き始めた。





…それにしても…あまり絵は上手くないのだろうか…蓮さんが描いた人のようなものはお世辞にも上手とは言い難かった。


それ以前にあれは人なのか…自分もどちらかといえば上手くない方に入る人種だが、これほどではない。


う…腕がえげつない方向に…


蓮さん自身も自覚しているのだろう。時折こちらに向けている背中から舌打ちが聞こえてくる。え、まさかこの蓮さんの苛立ちで淀んだ空気のまま説明するおつもりなんでございましょうか。
蓮さんの性格上、平和に終わりそうにないんですけど……。



宇佐美「あれー？蓮君とAちゃんだ」

小南「あら あんたたち、訓練は終わったの？」

宇佐美先輩と小南先輩が部屋に入ってきた。
後ろには訓練が終わったのか、遊真たちもひょっこり覗いてきた。


ふと蓮さんを見ると、苦虫を噛み潰したよう顔をしていた。
確かにこれを同僚たちに見られるのは恥ずかしいな…。

蓮「何の用だよ。とっとと出て行け」


小南「別にいいじゃない。横で聞くだけよ」

小南先輩は、ばふンとソファーに座るとホワイトボードの絵に気がついた。
小南「ぶ…あっははは！！なにそれ！」


蓮「うるせえ！人だよ 人！！」


ああ…やっぱ人だったのか…。

静かな怒り→←訓練じゃないんです。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す