【ワールドトリガー】強くなりたい女の子の話-5round

反撃 ページ23

南沢「Aちゃんみつけた！」

A「！」


振り返ると海君がバッグワームを解除しているところだった。
獲物を見つけた肉食獣の子供のように、無邪気な笑顔で弧月を抜くと地面を蹴り、真っ正面から突っ込んできた。

そうはさせない！

アタッカーの間合いへ入る前に私は散弾銃で威嚇射撃を地面に撃つ。
海くんは咄嗟にシールドを張って後退する。さほど怯んではいないようだ。

南沢「うおあああ！本当に地面バッキバキだ！ログで見たよりすっげぇ迫力！」



武富『転送時からずっと身を隠していたA隊員！生駒隊からの刺客にどう対応するのか！？』

太刀川『射程を持っているから分は悪くない。ただ前の試合を見たかんじ、撃って逃げるの繰り返しだと隙だらけになるぞ』

加古(太刀川くん、天月の前の試合見たのね)




蓮『攻撃手は攻撃の間合いが狭くて勝手に近づいて来るから、射程が短い分一発の威力がでかいお前のトリガーだと一番相手をしやすい』

蓮さんのアドバイスが頭に浮かんだ。


でも向かってきた相手をただ撃ち返すだけなら前と変わらない。
相手だって私にうかつに近寄れないことだって知ってる。



銃口を海君に向けて弾を放つ。
距離をとられた分、威力も命中率も下がってしまっているからなかなか当たらない。



ガガガガ…… カチッカチッ

弾切れの音がした。

南沢「待ってました！」
海君は弧月を手に、一気に距離を詰めてきた。





A「…うん、私も」



ドクン…
視界がまた、スローモーションに見える。


一歩…一歩…近づいてくる

確実に海君の動きの『意識の先』を読み取る。






タイミングを見て…



反撃しろ！！！




シュンッ

南沢「！！？ 消えたぁ！？」




A「違うよ…”後ろ”」

ドドドド


南沢「あらら〜」


『戦闘体活動限界 緊急脱出』

意表を突く→←先制点

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