灰谷姉は一般人希望【東京卍リベンジャーズ】

むかし ページ10

・




「そういや、昔Aにも二つ名的なのあったよな」

『ﾅｶｯﾀﾖｿﾝﾅﾉｼﾗﾅｲ』

「いや、あっただろ」

『知らなぁい！』



鶴蝶に突然問われ、目を合わそうとせず否定するA



「姉ちゃんの二つ名？」

「あぁ、あっただろ？」

「あったけど」

『竜ちゃん！』



マイキーの隣できゃんきゃん反抗するA



「いいじゃん、どうせバレるんだし」

『やだよぉ…死ぬほど黒歴史だもん』

「ファム・ファタール」

『マイキー！？！！』



話を聞いていないと思っていたマイキーがボソッと言葉を放つ

昔のことが黒歴史のAからしたら、その二つ名は禁句同然だった



「それだ、確かファム・ファタールの意味って…」

「運命を狂わす魔性の女って意味〜♡」

『蘭ちゃん…詳しく説明しなくていい……』

「いいじゃん？今もだぁいすきだけど、昔の姉ちゃんも大好きだから、俺たち」

『ぴぇ…弟可愛い…』

「ブラコンきめぇな」

『はるちゃんうるさいよ』



そう、Aの昔の二つ名は《ファム・ファタール》

どのような経緯でこの二つ名が付いたかは分からないけど、いつの間にかそう呼ばれるようになっていた



「てかなんでそんな名前がついたんだよ」

「あぁ？姉ちゃんがいい女だからに決まってんだろ」

「シスコン側の意見は要らねぇよ」

「スクラップにすんぞヤク中」



いつものように竜胆と春千夜が言い合いをしていると、壁にもたれかかっていたココが口を開く



「喧嘩が強かったのは前提としてあったけど、それ以上に男を手のひらで転がすのに長けていたからだろ」

『恥ずかしぃ…無理…なんで皆知ってるの…』

「うちに加入したらぁ〜、黒歴史じゃなくて積み重ねてよかった過去になるんじゃね？」

『ならないよ』

「え〜蘭ちゃん、一緒に働きたいなぁ」

『……それは！可愛い蘭ちゃんの頼みでもだめ！』

「ちぇ〜」






・

ふぁむ・ふぁたーる→←あじと

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す