怪物屋が大好きな狐の少年

泥田坊 ページ4

隠神「いや〜すみません タイヤ交換の手配お任せしちゃって あとでまとめて請求してもらえば」

女将「分かりました」

隠神「よっ」

A「こんにちは！ 君たちはどうしたの？」

子供A「ヤベッ」

子供たち「うわっ！」

A「隠神さん 嫌われたんじゃないですか？」←

隠神「ハハッ ここはいいですね のんびりしてて 来るまでに何頭か野生の鹿も見ましたし」

女将「うちの村の特産ですけえ 獣害が出んように 頭数調整もしとります」

隠神「へぇ〜 ん？ こんにちは〜お邪魔してま〜す！ ありゃ働き者だね それとも人見知りなだけかな？ 学校帰りって感じじゃないし もしかして学校に行かずに 働いてるんですかね 彼」

女将「詳しい話はあとで」


隠神「ふわ〜 仕事で来て温泉なんて最高！」

A「本当ですね！ まるで一石二ちょうですね！」

弥太郎「失礼いたします お背中ながしま〜す」

隠神「ああ ちょっと待って」

A「よいしょっと」

隠神「あれ？ 君さっき子供らの中にいた…」

弥太郎「女将の息子の弥太郎と申します 滞在中お給仕を 務めさていただきます」

A「ぜひ お願いします！」

弥太郎「お客さん 東京の人なんですよね いいな〜都会ってなんでもあるんでしょう？ お客さんの車も すごいかっこいいって みんな言ってますよ 僕将来は上京したいって思ってるんです 」

隠神「へぇ〜そうなの」

弥太郎「あっ母には内緒ですけどね 絶対継げって言われるし」

隠神「そういえばさっき 女将さんに聞いたんだけど ここもう一人子供がいるんだってね」

弥太郎「ああ泥田坊のことですね」

隠神「泥田坊？」

弥太郎「あだ名ですよ 毎日畑で 土や肥料まみれになってるから”泥田坊主“ 田んぼに住む妖怪の名前なんです あいつ生まれつきなのか 体臭がきつくて こういう人前に出る仕事は任せられないんですよね」

隠神「ふ〜ん」

隠神「興味あるね」



隠神「いや〜いいお湯でした」

A「おかげで 疲れが全部吹っ飛びました」

女将「そりゃ 良かったです」

隠神「ああそうだ女将さん 弥太郎くんでしたっけ あの僕の給仕係」

女将「はあ…」

弥太郎「褒められるぞ なかなか出来る子だって…」

隠神「あれ泥田坊主くんに お願いしてもいいですかね？」

弥太郎「え？」



泥田坊？「給仕係？」

女将「どうしてもって言うけ」

泥田坊？「やったことないです」

女将「自分で考えてどうにかせられ」

給仕係→←東京から来た人？

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