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一目惚れって、こういう感じなんだ、と思った。

高校生活が始まって、3回目の4月。
桜の花びらがひらひらと舞って、そのうち全部散っていっちゃうんだろうな、またすぐに1年、終わっちゃうんだろうな。

....なんて、初っ端からセンチメンタルなことを考えていた
3年生、はじめての朝。


いつも少し早い時間に家を出る私は、この日も特に予定が無いのに普段通りの時間に電車に乗っていた。

少し空いた車内の座席の、端のほうに座る。
文庫本を開いて大体10ページ。学校の最寄りの駅で降りると、駅の前、出入口からは自販機の影になる__同じ学校の人には見つかりにくい__ベンチで、本の続きを少し読んで、その後学校に行く。これが3年目になる私の日課。


でもその日は、違っていた。



「....あ、君、〇〇高校の生徒さん?」

「え、....はい、そうですけど」



ふ、と顔を上げた先に居たのは、見知らぬ男性だった。

モデルかなにかだろうか。
背が高くて脚も長い。顔は小さいし、すっと鼻筋が通っている。マッシュヘア....と言えばいいのか、綺麗にふわっとセットされた髪が柔らかそう。目の上で揃った前髪は、切れ長でぱっちりとした目を強調している。

なんというか....格好良いのに柔らかい雰囲気だ。

....いやこれは声の印象かもしれないな、独特の柔らかく篭ったような、それでもすっと通る声。初対面なのに相手を安心させるような不思議な声をしている。


____ここまで約1秒。この時の結論はシンプルに「この人めちゃくちゃかっこいい」だった。

そんな馬鹿みたいなことを考えながら文庫本を閉じた私に、目の前のモデルさん(仮)はこう続けた。



「僕今日からそこに勤めるんやけど、ドタバタして下見とか出来ひんくて....。土地勘もないからさ、もし良かったら学校まで案内してくれたりとかしません?」



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作者名:らぱん( ・×・ ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=d9fece3f785bc7d3ebaeeecd6103e95f...  
作成日時:2019年2月23日 17時

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