イナイレ ー星の涙ー part5

No.220　優勝は全て偽物 ページ23

相手チームのｷｬﾌﾟﾃﾝ
「優勝おめでとう。悔しいけど」


翔「ちょっと聞く。何でもないフリをして笑っていてくれ。

なぜ…けがをした？

悪い…嫌みに聞こえるかもしれないが…」


ｷｬﾌﾟﾃﾝ「実はな、すげーダサいんだけど
みんなで練習したあと、１人で土手を走っていたんだ。そしたら横から自転車が突っ込んできて、土手の下へ転がり落ちたんだ」

彼は笑いながらも悔しさが混じっていた顔だった

翔「それで骨折を…？」


ｷｬﾌﾟﾃﾝ「ああ…全治５ヶ月らしい」


翔「俺はお前と試合をしたかった…」

ｷｬﾌﾟﾃﾝ「それは俺もだ。
“空のストライカー”の実力を近くで見たかったよ。
まーしゃーないよな…事故だし」


翔「ホントに事故だったのかな」

ｷｬﾌﾟﾃﾝ「…どういうことだ？」


翔「俺、誰かが仕組んだんじゃないかって思うんだ。去年も似たようなことがあってな…

教えてくれてありがとな」

ｷｬﾌﾟﾃﾝ「あ、ああ…」


翔「じゃあな」



とたんに厳しい表情に戻り彼の手を離す




この事故、誰かが仕組んだんじゃないのか？

決勝前日に丁度チームの要、しかもキャプテンが事故に遭うなんておかしい

それも2年連続で


容易には信じられない






ー帝国学園の寮ー


俺は今、パソコンを睨みつけていた


ここは、帝国学園の寮

総帥は2年前沖縄に来て俺をスカウトし、
東京まで連れてきた

上京してから、俺はここで暮らしている


父さんが亡くなって行くのを悩んでいたが
妹や母さんに背中を押されここに入った




俺は、今まで帝国が勝ち取った優勝のことを
調べた

結果は最悪だった




すべての優勝には他の出場チームの交通事故、監督辞任や仲間割れらの問題が関係している



交通事故。意識不明。試合欠場。

嫌な言葉が俺の頭を巡る



帝国が奪い続けたFFの優勝は、すべて偽物




あまりのショックと怒りに机を思い切り叩く


俺はサッカー部のキャプテンでありながら、
影山の本性に気付いてしまった


俺は、知らぬうちにサッカーを汚したんだ





ありえない


自分がずっと信じてやってきたサッカーが、
そんな薄汚いものだったなんて

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