激推ししてます、太宰さん！2

太宰さんは幹部。 ページ12

地下室のような所で鎖を手に繋がれている状態でただ立たされている。

太｢これ肩こるねえ…｣

『これ私巻き込まれただけなのではないでしょうか。』

まあまあと隣の太宰さんはヘラヘラ笑っている。呑気なものです。


『…というかさっきの…芥川が電話してた向こうの声って…』

太｢敦くんだねえ。｣

ふんふふーんと鼻歌を歌い始める。

『なんでそんなに余裕そうなんですか…』

その質問は無視された。怒ったので鼻歌にハモってみる。


太｢んえぇすごいね！？もっともっと！｣






いつまで歌に付き合えば良いのだろうか。
コッコッと靴の音が近づく。誰か来た…？

芥川…。

彼の外套が獣のようにぶわりと揺れる。太宰さんの顔の横の壁に刺さる。

『ひぇ』

それはずずずと太宰さんの首元を動く。太宰さんは全く気にしてないようで歌を続ける。

ふわんと揺れたそれが大きな獣の口のようになり、太宰さんの首元に噛み付いた。
ふっと息が漏れる音が聞こえた。私だ。声すら出なかったよう。

太｢…ああ。君、いたの。｣

挑発するような目を向ける。

芥｢ここに繋がれた者が如何なる末路を辿るか…知らぬ貴方では無いはずだが。｣

太｢懐かしいねえ。君が新人の頃を思い出すよ。｣


太宰さんのポートマフィア時代。あまり聞きたくなくて、こくりと喉元の唾液を飲み込み、下を向く。手が繋がれていなければ耳をおさえたいのだが。

芥｢貴方の罪は重い。突然の任務放棄、そして失踪。剰え今度は敵としてマフィアに楯突く。とても元幹部の所業とは思えぬ。｣


幹部…そこまですごい人だったんだ……あれ？幹部？

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