私に過保護な太宰さん。 ページ48
箕浦さんが大きな声でわははと笑う。
箕「おいおい貴様の力とは笑いを取る能力か?
杉本巡査は警官で俺の部下だぞ!」
乱「杉本巡査が、彼女を、殺した。」
乱歩さんはいつものぽこぽことした雰囲気をどこに置いてきたのか、と思うくらいの静かな笑みを見せた。
箕「莫迦を言え!大体こんな近くに都合良く犯人がいるなど…」
乱「犯人だからこそ捜査現場にいたがる。
それに言わなかったっけ?「どこに証拠があるかも判る」って。拳銃貸して。」
えぇ!?と杉本巡査が慌てる。
杉「ば、莫迦言わないでください!
一般人に官給の拳銃を渡したりしたら減棒じゃ済みませんよ!」
箕浦さんは乱歩さんに対して「阿呆だ」「舌先三寸」「時間の無駄」などと言う。非道い…と口を開こうとすると、くるりと体を半回転させられた。目の前に見えるのは川。
『わわわ!?』
慌てて振り返ると太宰さんの背中。え、何?
乱「彼は考えている最中だよ。減った三発分の銃弾についてどう言い訳するかをね。」
箕「おい杉本、お前が犯人のはずがない!だから早く銃を渡せ!」
太宰さんの背しか見えないが、カチャリと音が聞こえ、杉本巡査が銃の安全装置を外したのだろうと感じる。
太「マズい。…いけ、敦くん!」
ドンっと敦くんの背を両手で押す。
んええ死んじゃうよ!飛び出そうとする私を後ろ手で隠すように抑える太宰さん。
箕「やめろ!」
ズドンと銃声が聞こえる。
…太宰さんの抑えていた手はぱっと消え、太宰さんの後ろから飛び出す。敦くんが杉本巡査を抑えているのが見え、ほっとする。
太「お、やるねぇ。」
『もし打たれたらどうするんですか…。』
太「私がそこまで考えなしだと思うかい?
新人が可愛いのは分かるが、成長しないと探偵社ではやっていけない。」
『…。』
別に何があった訳でもないが、いや、いろいろあった。太宰さんは悪くない。けど、気まずいので帰りたい。
この後は箕浦さん達の仕事、それに乱歩さんもいるのだから私は帰っても良いでしょう…。
川に背を向けて歩く。
太「ん、帰るの?」
『……はい。探偵社に。』
軽く振り返ってぽそぽそと言う。私、今すごくめんどくさい女だと思う。
太「そう。私は敦くんの教育も兼ねて乱歩さんに着いていくね。」
『はい。国木田さんに伝えておきます。』
太「…ひとりで帰れる?さっきの道通っていくんだよ。いいね。」
『子供じゃありません。…では。』
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麗(プロフ) - 30ページ 敦を「僕のせいで を は不要かなと思います (2021年4月11日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
一沙 - 夢主、重症と見たり (2020年4月9日 14時) (レス) id: c108e162c7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 星来さん» ありがとうございます!更新はできるだけ頑張ろうと思っています、一緒にキュンキュンしましょう〜! (2020年3月25日 16時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 今最高にハマってます…文スト作品の中でここまでキュンキュンしたの初めてですわぁぁぁ更新心から応援してお待ちしてます!! (2020年3月25日 10時) (レス) id: 5ba0477dc2 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - そるてぃーらいちさん» ありがとうございます!妄想にお付き合いいただき感謝です(*’ω’*) (2020年3月23日 19時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年3月13日 1時