箒星 【Sho Sakurai】 第１章

44. 始まった関係 ＜S side＞ ページ44

この日以来。互いの家を
行き来することが
増えていった俺達。


帰り道ばったり会って。
そのままどちらかの家で
飲み食いしたり。

そのうちにメールや電話で
お互いの予定を確認してから
手土産持参で
おじゃましたりされたり。




程なくして。俺も抵抗なく
”A”って呼べるようになった。

相変わらず舌戦となると
タジタジだけど。
よく考えてみりゃ俺の方が
３つも年上じゃんかよっ(苦笑)





そんなこんなで。やっぱり変わらず。

性格や考え方は違うことが多いのに。
妙にウマが合うっつーのか。

Aの前だと飾る事ない、
素の自分でいられてすげぇ楽で。

互いに恋愛感情がねぇのわかってるから
余計そうなんだろうな。




この年になって。しかも異性で。


こんな気の合う奴に出会えたなんて。
ホント人のめぐりあわせって
不思議なもんだよな。





相変わらず。のぞみからは
連絡は全くなかったけど。

いつしか。のぞみのこと思い出して
落ちることも少なくなってきてた。




Aも相変わらずの毒舌で
(最近はその毒にも
麻痺してきたけど(苦笑))。

外でネコかぶってる分
俺の前だと本能のままっつーか。

きっとこれが本当の
Aなんだろうな。


よく笑って。よく怒って。
めまぐるしくその表情を
変えていく忙しい奴で(笑)。



からかいがいあんだよな。

でも調子に乗ると。
倍、逆襲がきてギャフンと
言わされちまうんだけど(＞＜)




そのくせ意外に
情に厚かったり。

自分の髪、いきなり
切った時と同じように
オトコマエな奴だったりもして。

女にしとくのもったいねぇなって。
たまに思ったりもしちまう。





俺の事。最初は
”アイドル”なんて括りで
小馬鹿にしてたとこあったくせに。

最近、Aの部屋で
見かけるアイドル誌。

束ねた新聞の下に。
半ば隠すようにあったりして。
俺は気づかねぇふりしてるけど。


「何あの髪形っ★」とか
「司会噛みすぎっ(笑)」とか。

ZEROや俺の番組の話もこの頃多いし。



...ふーん。なんだかんだ言って
気にして見ててくれてんだ。
(突っ込みは厳しいけど)

そう思ったら。
なんか嬉しくなってた。





あんなに合わねぇと思ってたのに。


ニノの言うとおり。
価値観違う相手っていうのも
悪くねぇかも。




.....到底、恋愛対象には
なりえねぇけど(苦笑)

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