箒星 【Sho Sakurai】 第１章

45. 一瞬の表情 ＜S side＞ ページ45

今夜も。三日ぶりに
帰り道バッタリ遭遇。



「おうっ」

「あ、翔」



久しぶりに見たワンピース姿(笑)

髪も俺といるときの、
無造作なまとめ髪じゃなくて。
ちゃんとゆるやかに巻かれていて。



「....そのいでたちは合コン？(笑)
また1人で帰宅かよ(^^)」

「今日は不作」

「人はイモや野菜じゃねぇーぞっ★
....ったく、その情熱、
　 もっと生産的な方向に向けてみろよ」

「今日の先方は地上職より
CAの方が良かったみたいで」

「ふぅん。あ、ね、お前なら
なれたんじゃね？
英語できるし。身長も容姿も
申し分ねぇじゃん。
.....性格は難ありだけど(苦笑)」

「....っるさいわねー(怒)
それはもういいのっ！
私のことなんて
どうでもいーじゃんっ。

翔だって宝の持ち腐れっ。
アイドルなんかじゃなくて。
せっかくの学歴とルックス、
　 もっと生かす道
あったんじゃないのっ？！」




....今日も快調だな、
A節...(＞＜)(苦笑)




「...そもそもネコかぶったお前で
　 好かれたって意味ねぇーじゃんっ。
どうせすぐボロでんだし。
ずっと取りつくろって
生きてくわけに
いかねぇだろうーに。」





何とはなしに口にした俺のセリフに。

意外にも次の瞬間。
ふっと、どこか寂しそうで
でも強い意志をたたえた瞳に変わって
つぶやいたA。




「...意味あるよ。大ありだよ」



それからは。もう何も言わずに。
俺からも目線外して黙っちまったA。





.....？ どうした？
俺、なんか地雷踏んだ...？

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