箒星 【Sho Sakurai】 第１章

13. 宴の後 ページ13

「もう一軒行こっかぁーーっ？！
Aちゃん大丈夫ぅ？？」





.....いつのまにか。
”A”ちゃん”呼ばわり。

許可したつもりないんですけど。
さすがNY帰り。動き早いよ。

かなり酔いも
まわってるみたいだけど....




「あっ、すみませーーーん
　明日早番なのでごめんなさいっ、
私は失礼します。
　皆さんどうぞ楽しんでくださいね(^^)」




亜衣と目が合って。
２人だけにしかわからない
目配せで合図を交わし合う。



”ごめん、イイ人いない。帰るわ”
”了解”






「えーっ、残念ーっ(＞＜)」



がっかりしてくれる男性陣。
その時。そちら側からも
同じ声が上がる。



「あ。俺も明日早ぇーから失礼するわ」






....櫻井さんだった。



同じように、ううん、私の時以上に
「えーー★(＞＜)」と
残念そうな声を上げる女性陣。





......だよね。

主役がいなくなるんじゃ、
そんな声も上げたくなるよね(苦笑)





「えーーっ、Aちゃぁんっ！
　もう少しいいでしょ？？
　なんならぁー。朝、俺が羽田まで
　送ってってもいーけどぉ？！」






.....冗談。しつこい、NY。
ありえないでしょ....(怒)




「あっ、いえっ、そんなこと
申し訳ないです(^^)
うち門限が厳しくて。
本当にすみませんっ」




真っ赤なウソ。
一人暮らしですが何か？




「えーーーっ！ いいじゃんっ
　 硬いこと言いっこなしっ☆」





作戦むなしく。
少しもひるむことなく
なおもしつこいNY帰り。


っ！ いつの間に？！
しっかりと私の腕を
ホールドしてるっ(驚)





....いやだ。この手。
感触も生ぬるさも。
生理的にダメかも。

なんか。背筋がゾワッとし始める。


さりげなく払おうとするも。
やっぱり男の人の力。

酔いも手伝って。
ちっとも払えない。





ど、どうしよう...(＞＜)







その瞬間。
パッと離れたNY帰りの腕。





離れた....？
ううん、離された....？

あ.....っ......

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