箒星 【Sho Sakurai】 第１章

1. いつもの楽屋 ＜S side＞ ページ1

＜ 大切な人を守りたいと思う
気持ちは強い方？ ＞





...イエス、イエス。

やっぱ男子だし。
彼女の前ではカッコ悪いとこ
見せたくねぇでしょ？

道路側歩くし。
重い荷物は持たせねぇよ。





＜ メールにハートは使わない ＞



...当然。

んな恥ずかしいことできねぇって！
外で手つないだり。
腕組むのだって絶対ムリっ！！

なんで皆普通にできんのかな。





＜ 好きな女の子のタイプは
”価値観の同じ人”。
　 よく笑う人はかわいい ＞



...これも今も譲れねぇな、うん。

後者はね。完全自分の趣味
入っちゃってるけど(苦笑)。









「何読んでんの？」


突然背後からかけられた
ニノの声に。
思わずビクンとして。
あわてて雑誌を閉じる。


「ふーん。俺らの、
昔のインタビュー記事？」

「あぁ、うん。あれ、皆は？」

「今日はそそくさと帰ってったよ。
　 デートみてぇだな、あのお二方(^^)」



収録を終えた楽屋には。
いつのまにか相葉ちゃんと
松潤の姿はなくて。

私服に着替え終わったニノと。
まさに今着替え中の大野さんと
俺だけしかいない。




「ニノは？この後なんかあんの？」

「俺は克美ちゃん達と飲み。」

「おぉ♪ よろしく言っといて(^^)」

「翔くんは？」

「俺は.....直帰だな。
資料読まなきゃなんねぇし。
ピアノも練習してぇし。」

「ストイックですな(笑)」



んふふ♪って笑って。
俺がテーブルの上に置いたばかりの
雑誌を手に取り。
パラパラとめくり始めるニノ。



....って俺のページっ！

面と向かって読まれると
若干恥ずかしいんですけど...(苦笑)

そうして。

”昼、そば？ご飯？”って
聞いてくる時と同じくらい普通に
さらりと切りこんでくる。




「のぞみちゃん元気？」




その３文字を耳にしたとたん。
ドキンッと大きく音をたてた胸。




...もう３か月も
経ってるってのに。
情けねぇなぁ、俺....







「....じゃねぇの？
全く連絡ねぇし...」

2. 未練 ＜S side＞→

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