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(あ、死んだ…)

「ははは!そんなこの世の終わりみたいな顔せんでも」


今吉さんは通常の笑顔に戻っていた。
けれど私の警戒心は解けないままでいる。


「警戒せんといてや、取って食ったりせえへんって。でも、せやなぁ」


ニヤリと笑う今吉さんは私の耳に口を寄せた。


「人の弱み握るんは楽しいかもしれへんなぁ」


背筋が凍る。
とんでもない人にバレてしまった。


「せ、性格歪み過ぎでは…」

「なんやて〜?」

「ひぃ!なんでもないです!」


弱みにつけ込んで何をされるかわかったもんじゃない。この人とは極力2人にならない方がいい。


「キミ、名前は?」


拍子抜けな質問をされてポカンとする。


「Aです…けど…」

「Aちゃんかぁ」


そう呼ばれ、少しドキッとする。
こんな呼ばれ方、男の人にされたことない。
いや、ただ慣れていないだけだ。きっとそう。


「気になってたんやけど、胸どうなってるん?」

「はぁ!?」


今吉さんは私の胸を指さす。
一瞬のときめきを返して欲しい。


「…ちょっ!バカバカバカッ!!」


今吉さんは距離を詰めたかと思うと、背中から服の中に手を入れる。


「ええやんけ、男同士仲良くしようや」

「こンのッ…変態ッッ!!」


女と知っているくせに、ド畜生だ。
するりと背中を伝った手はある位置で止まる。


「おー、サラシか。なるほどな」

「っいい加減に…しろ!」


体当たりをして跳ね除ける。
そんな事をされても尚、今吉さんはケラケラ笑っていた。


「あーそういうとこ、女の子っぽくて可愛いやん」

「っ〜!!なんなの!変態!どっか行け!」


今吉さんは楽しそうにこちらを見る。
この人から身を守ろうと自身の体を抱きしめた。


「そうやって嫌がられたら余計いじめたなるねんなぁ」


抵抗すればするほどこの人にはドツボらしい。
身の危険を感じる。
咄嗟に走り出して体育館から逃げた。

今吉さんは性格が悪い。あの人はサラシを確認しただけでなく、解いていた。合宿所に入り、すぐに人のいない所に避難しようと走る。その途中、誰かとぶつかった。


「あれ、誠凛の」

「た、高尾くん…」


ぶつかったのは秀徳のPG高尾くんだった。
以前、私をイケメンくんと呼んだ人だ。


「そんな慌ててどったの」


高尾くんの視線が私の胸元へ落ちる。必死に抑えている腕を見て首を傾げた。


「お、お腹痛くて!ごめんね、急いでるから!」


横を通り抜けてまた走った。



「なんか、雰囲気ちげー…」

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二次元依存症 - 更新お願いします!頑張ってください! (2020年6月9日 9時) (レス) id: 6c212b079c (このIDを非表示/違反報告)
カナタ - 今吉先輩ドSすぎる////高尾が優しくてキュンときました。伊月先輩とむっくんが可愛い!更新頑張ってください! (2020年5月13日 20時) (レス) id: fc99185244 (このIDを非表示/違反報告)
蓮見敬人命です。(プロフ) - 今吉様が、、。予想以上に腹黒!でも素敵なお話です (2020年4月23日 18時) (レス) id: d9754627b9 (このIDを非表示/違反報告)
御守(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!今吉さんは徹底的に行くだろうなと思って書きました笑 (2020年4月23日 8時) (レス) id: 1f319702a2 (このIDを非表示/違反報告)
- 今吉さんがドSすぎて笑いましたw (2020年4月19日 4時) (レス) id: 618048078d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御守 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/nekyomu  
作成日時:2020年4月13日 10時

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