やっぱりリア恋枠【まふまふ】

【番外編】星屑エスコート ページ22

貴方 side






『 ねえ、A、』


『 …どうかした？飲み物？』







料理中に控えめにクイクイと袖を引かれて、振り向くと案の定真冬くん。

彼がキッチンへ入ってくるのは珍しいから少し驚く。






『 あ、いや違くて…来週の日曜なんだけど、俺ちょっと用事があって午前中成瀬くんと遊んでおいで？』


『 なるせ？…うん、分かった。いろちゃんは？』


『 いろははさかたんに任せるから、気にせず遊んできて！』


『 …はーい 』








いつもは絶対に目を合わせて笑ってくれるのに、何だか挙動不審で彼が出て行って、首を傾げてしまった。







「 なんか変だよね？」


nqrse「 おー浮気か？浮気なのか？」


「 …喜んでるでしょ 」


nqrse「 エッナンノコト 」


「 この人でなし 」


nqrse「 おめえだけには言われたかねえよ 」






いつのまにか成瀬から幼稚園児というあだ名を付けられたわたし。目の前のネカマを睨みつけながらクレープを頬張る。

そして周りの人達。私が可愛いのは分かってるからあんまり見ないでほしい。








nqrse「 まあ、大丈夫でしょ。まふくんだよ？」


「 まあ、そうね。真冬さんだもんね 」


nqrse「 お前はいらねえ心配なんかしなくていいから。いつもみたいにへらへらしとけ 」







ぐしゃっと髪を撫でられる。
これ、癖なの気づいてるのかな。

指輪とゴツゴツした手の感触。
真冬くんとは違う。




「 私がいつどこでへらへらしたの 」


nqrse「 は？年中ヘラってんじゃん 」


「 そっちかよ 」





幼稚園児基い、メンヘラ野郎です。どうも。
こうしてる今も脳内は彼のことでいっぱい。

真冬くんは甘いものが得意ではないけど、私が作ったものなら全て平らげてくれる。

だからか自然とお菓子を作るときも甘さ控えめになるから、翔太さんに「Aちゃんってダイエットしてる？これちょー苦い」って自作のクッキーとともにディスられたっけ。


「太ってます？」「いんや全然。むしろもっと太ったほうがいいよ」「ブーメラン」「マジレスきつい」






そんな会話をして、彼方さんに知能指数について馬鹿にされたのを思い出す。

あのあと二葉ちゃんに連行されてって面白かった。真冬くんに「楽しそうだね」って指摘されるくらいには表情も緩んでいたし。

「えっ、どこが？！」と翔太さんは驚いていたけど。やはり分かる人には分かるらしい。





nqrse「 何一人でニヤついてんだよ 」




…ほら、ね。

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