親子はじめました

はじめてのプレゼント ページ18

『グクーっ！おまたせ』


どうやら靴箱の前でスタンバイしていた様子のグクが
私を見た瞬間突進してきてそのまま足にしがみつく


「お帰りなさい」


その様子を見て笑うジン先生


『泣かなかったですか？』

「泣かなかったですよ。
ちょっと心配になるくらいお利口でした。
家でもそんな感じですか？」

『はい。大人しくて良い子です。
来たばっかりでまだ慣れてないのかな。
私もあんまり子供慣れてなくてどうすればいいのかわからないし、』


家でも、ほんとに良い子だ。
あんまり話さないし、大人しい

朝みたいにただこねることもなかったから
余計にどうすればいいか分からなかった。

優しい言葉につい弱音が漏れる


「いっぱい話を聞いてあげて下さい。
子供が泣いたり、嫌がったり、
色々な行動にはちゃんと意味があります。」

『…意味』

「お姉さんのこと好きみたいですから。
大丈夫ですよ。グクくんと沢山話して下さい」


にこにこ笑うジン先生が画用紙を差し出す。
そこに描かれた顔がついてる３つの丸

もしかしてこれって、


「プレゼントするって、一生懸命描いてましたよ」







リビングのテーブルに座ってさっきの絵を眺める


『グク、これ私？』

「うん」

『…こっちはユンギ？』

「そうだよ、これがぐく。こっちはうさぎさん」

『うさぎ、』


たぶんこのウサギは。
いまだに夜中になると泣き出すジョングクが
起きた時に寂しくないようにと
苦し紛れに一緒に布団に突っ込んだゲームの景品だったぬいぐるみ


ちゃんと、見てるんだこの子。

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