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野狐「殺す…殺す…人間…殺す…お前も殺してやる…!!」

『まるでアンタが人間のようや』


人間も妖怪も酷い仕打ちを受ければ相手を憎みこの野狐のように醜くなる。

でも、ここまでくればもう遅い。うちも本気で殺る。


『来な、すぐ逝かせたる』


真正面から突っ込んで来た。
全く…罠にハマるとは、ホント低級やな。

妖力を腕に込め薙ぎ払う、そのまま野狐は身体中の目を切られたせいか苦しげな表情でうちを睨んだ。


『力…こんなもんかい?、ちっぽけな価値観やな』

野狐「……クソ……」

『もう言い残すことはサラサラ無いやろ』


こんな低級妖怪にでさえ本能が揺さぶられる。
まだ根に持ってんやろうか。



『あの世で反省やな』


弱い…弱過ぎる…こんなの殺り合いじゃない

虐殺だ



野狐「や…やめ…」

『問答無用。自分だけが良いと思うな』


野狐が利用しなかった池の水の力を使い妖力を増幅させ、呪術を詠唱。


野狐は送り火に包まれ悲鳴を上げて消えて行った。



大体の妖怪は人間に酷い仕打ちを受け嫌っている。
人間と妖怪が共存する事が出来れば…
だがもう出来ないのかも知れない。


『うちも人間を許してないからな…』


さて、もう用済んだし。帰るか




岩泉「なんだ、早かったな」

『そうか?』


窓からすり抜けて帰ってきても驚かなくなったし、慣れるの早いな。


『ハジメ、妖怪はどう思う?』

岩泉「俺はあまり許せないな。何で俺を狙うのかが分からん」

『そうか』

岩泉「どうかしたのか?」

『いや、ただ聞いてみただけや』

岩泉「風呂早く入れよ?」

『うん』


お母さんだ…

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作者名:月夜見 | 作成日時:2016年5月29日 18時

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