嘘 の 裏 に 束 縛 を 【一松】

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Choromatsu __









僕はAが好き。

それは彼女も同じだった。

Aの家族がなくなってそれからというものの僕達は一緒に暮らすことになり幸せな日々を過ごしている。









「え、お前ら家族になったの？」









もちろん友達に驚かれるわけで

でも僕達が兄弟ということを知って誰かが呟いた。









「じゃあ、もうAちゃんと結婚出来ないんだね！」









その訳は【兄弟】だから









そうだ、そうだよ

どうして気づかなかったんだろう。

兄弟は結ばれない

大きな大きな壁が僕達の間にあるんだ。









「あんなにラブラブだったのにね」


「でも兄弟だから仕方ないよ」









グサグサとささる言葉。

でもこれが現実だ。









「A…」


「ん、なに？」


「……っ、いや…なにも」









でも言ったら本当に終わる。

けれど言わなければ将来傷つくのはAだ。

僕だけを見れば他の男なんて見れない、女の子のあこがれの結婚なんてできない。









早く言わなきゃって思っているうちに日は進みとうとう一年がたとうとしていた。

そして中学に上がる前、小学生を卒業後僕はAに言おうと覚悟して









「チョロ松兄さん…？」


「兄さん、だから…」


「え？」


「僕らは兄弟だからだめなんだよ」









「離れよう」って僕は涙が溢れそうで背を向けた。

けど「離れないで」と僕を抱きしめるA。









「知ってるよ、兄弟じゃだめだって…ｯ！

でも私はチョロ松兄さんのことが……」


「僕が…ッ、僕が嫌なんだよ…！

妹を想ってるとか頭おかしいし…恥ずかしいんだよ！

分かれよ、分かってくれよ…ｯｯ」









ごめん、傷つくこと言って

本当にごめん。









それからAを離したはずなのに僕の気持ちは大人になってもきえないままだった。

階段から上がってきたAに目を合わされなかった時は本当に傷ついて胸が痛んだんだ。

ごめん、自分から引き剥がしたのに









「A…、僕はまだ……

クソッ…ｯｯ」









僕はまだ君が好きだよ______









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