６０《守る》 ページ10
「A、ちょっとおいで。」
『はい』
その日の夜、食後のお皿を洗っていた私にカカシさんが手招きした。
水を止めて近寄ると、カカシさんが紙の袋を私に差し出す。
『カカシさん、これは…？』
「そういえばまだ上忍になったお祝いを渡してなかったなと思ってね。…ま、無事に班も決まったしこれからお前のサポートに期待ってことで。」
そう言われて紙の袋を除くと、中には手裏剣やクナイの忍具と、腰につけるポーチが入ってあった。
『ありがとうございます。大事に使います。』
ぎゅっとその袋を抱きしめるとカカシさんもクスッと表情を和らげた。
「あ、それとね。本格的なサポートをしてもらうにあたって少し重要な話がある。」
『はい、何ですか？』
紙の袋を抱きしめたままカカシさんに向き合う。
「未来がわかってしまうお前は、何かが起こってしまう前に行動してしまうだろ？…今日も現に、オレに何も言わず見てろ、って未来を思わせる言葉を使ったよね？」
『…はい。』
「お前のそのふとした言動が誰かに聞かれた時、お前が未来を予知できると思うヤツもいる。まして、これから先が詳しくわかってるなら尚更だ。」
カカシさんの言葉に私は下を向く。
確かに、今日カカシさんにあんな風に言ったのは私のミスだ。
「だから、お前はこれまで以上に言動や行動、全てに気をつけるんだ。それから…これから先、例えばオレが死ぬ事になったとしても、守れなかったなんて思わないようにね。未来がそうなっているならオレは受け入れるし…自分で変えるさ。」
『はい…わかりました。…でも、カカシさん。』
確かにカカシさんの言う通りだ。
私は上忍になれたけど、でもまだまだ弱い。
きっと、全ての人を守るなんて出来ない。
「なーに？」
『行動、言動には気をつけます…だけど。』
だとしても、未来がわかってるからって何もしないのは嫌だ。
『私は７班のサポート上忍です。…７班のみんなや、この手の届くところは守りたいです。』
「…そうか。ま、お前らしいな。」
そう言って頭を撫でてくれるカカシさんの手は暖かった。
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たた(プロフ) - うわぁぁあ！！！続きとても気になります！待ってます！ (2021年3月3日 21時) (
レス) id: 185f450ef1 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！更新頑張ってください！応援しています！ (2019年5月4日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
珠羅《SHURA》(プロフ) - エールさん» コメントありがとうございます、お返事が遅れて申し訳ありません。そんな風に言っていただけるととても嬉しいです。時間が空き次第必ず続きを、最後まで書き切りますのでこれからも是非ご覧ください！ありがとうございます。 (2019年4月20日 8時) (レス) id: 4be6837550 (このIDを非表示/違反報告)
エール - 始めて読ませて頂きました。もう号泣ですよ！！私の顔を涙でぐちゃぐちゃにしてくれちゃって！私もカカシ推しで愛して止まなくて…。なのでお願いだから更新再開してください！お忙しいのは分かってます！けれど私にこの小説の最後を見届けさせて下さい！待ってます！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 53f9709858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珠羅《SHURA》 | 作者ホームページ：http://lyze.jp/yomosugara47/
作成日時：2018年2月26日 9時
