８８《No.5 -K side-》 ページ38
コソコソと静かに部屋を抜け出していったAの後を追うように外に出て見ると海の彼方を見つめる小さな背中が見えた。
どんな事情があるのかはわからないが、強く願いを込めた目でこちらを見る姿にオレは押されてしまった。
今は言えなくても、いつかになれば話してくれるというならばそれまでまだまだこの子の行動に困る事はあるかもしれないが、まぁ待ってみてもいいかもしれない。
それに、きっとオレがここで何を言っても彼女はその意思を曲げる事はなさそうだ。
「わかったよ。そんな目で見られちゃオレも何も言えないしね。ただし、絶対にその原作とやらが終わったら話すんだよ。」
『うん、ありがとう。』
オレの言葉に嬉しそうに微笑んだA。
その背後に、もう一人女の子が微笑んでいた。
見たところAより5つくらいは年上の、黒い髪をしたその女の子はAとそっくりな笑顔を見せていた。
「…、A…？」
『はい？』
キョトンAが首を傾げたその瞬間、後ろのその子は消えてしまった。
オレは何か幻を見たのか、と気のせいにすることにして部屋に戻ったはいいものの、さっきのあの子が頭から離れない。
そういえば、いつだったか前の世界にいた頃のAについて聞いたことがあった。
真っ黒な髪で、髪は伸ばしていて、顔は今とは全然違うといっていた。
あのとき後ろで微笑んでいたその子は、Aの言うその特徴に全部当てはまってないか？
思い出せば、真っ黒な長い髪、服は見たこともない白いシャツに胸元にリボンが付いていた。
顔は全然違うのに、笑い方はそっくりだった。
幻だったんだろうか？
確かめようにも確かめられない現象にオレは頭を抱え、寝息を立てるAを横目に見たままオレは眠る事はできなかった。
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たた(プロフ) - うわぁぁあ！！！続きとても気になります！待ってます！ (2021年3月3日 21時) (
レス) id: 185f450ef1 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！更新頑張ってください！応援しています！ (2019年5月4日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
珠羅《SHURA》(プロフ) - エールさん» コメントありがとうございます、お返事が遅れて申し訳ありません。そんな風に言っていただけるととても嬉しいです。時間が空き次第必ず続きを、最後まで書き切りますのでこれからも是非ご覧ください！ありがとうございます。 (2019年4月20日 8時) (レス) id: 4be6837550 (このIDを非表示/違反報告)
エール - 始めて読ませて頂きました。もう号泣ですよ！！私の顔を涙でぐちゃぐちゃにしてくれちゃって！私もカカシ推しで愛して止まなくて…。なのでお願いだから更新再開してください！お忙しいのは分かってます！けれど私にこの小説の最後を見届けさせて下さい！待ってます！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 53f9709858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珠羅《SHURA》 | 作者ホームページ：http://lyze.jp/yomosugara47/
作成日時：2018年2月26日 9時
