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キスマ ページ32

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はらり、耳にかけられた髪。キスしたいのかなと思い目を瞑るが一向に彼の顔が近づいてくる様子がない。恐る恐る目を開けると不機嫌そうな表情のセンラが目に入る。首を傾げるとその方向に合わせ、彼の視線も動く。


「なに?」


そう問いかけると忌々しそうに彼が私の首筋に触れる。なんかしたっけな、と思いながら彼が紡ぎだす言葉をゆったりと待つ。


「なんなん、これ」


するりと撫でられた首筋と投げつけられる痛い視線。何の心当たりもなくて困惑していると彼が顔を顰める。


「こんな所にキスマ付けといてシラケるつもりなん?」

「キスマ?」


意味がわからなくて彼が1番伝えたかったであろう単語を繰り返すと彼の目が一層険しくなる。そんな瞳は冷蔵庫に入った彼の楽しみにしていたであろう態々名前の書かれた品を食べた時でさえ見たことがなく、思わずあとずさりしてしまった。


「あの、まって……多分何かのまちが……」


間違いだと紡ぐ前にかわいた音が頭の後ろで響き、言葉が止まる。ときめかない壁ドンなんてこんなに怖いものなのか。


「言い訳なんか要らんのやけど」


静かに響く低音にびくりと肩を震わせると彼の手はそのキスマのあるであろう部分に触れる。


「待って、これ……」


​────キスマじゃない

静かに響くそんな声に、は?と彼は素っ頓狂な声を零した。そして何度も瞬きをし、私のそこに視線を向ける。しかし分からないようで首を傾けた。

「ただの火傷だと思う、コテの。今日髪巻いたからさ」


ね?と彼に言ってみせると呆けた顔の彼はぱちぱちと何度も目を瞬かせ、こちらに傾いてきたと思ったら大きくため息を吐いた。

「なんやそれ、焦って損したわ」

「焦ったと言うより嫉妬に狂ってたって感じだけど?」

グリグリと肩に頭を押し付けられて呟かれる言葉にそう返すとしばらくの沈黙のあと、うるさいと一言返ってきた。


「愛されてるって分かって得したかも」


結構怖かったけどね!と言ってみせるとしゅんと彼は沈みこみ、もしょもしょと謝罪の言葉を口にした。


「絶対、浮気せんといてな……心臓持たんわ……」

「勿論、浮気しないよ。だからセンラも浮気するなら私が分からないようにしてね」

「そこはお前も浮気すんなって言うところやろ!?」


センラの言葉にけらけらと笑うと、彼は不貞腐れたように私の髪の毛を耳から外してそれを見えないようにした。そしてさらに見えないように髪の上から首筋に触れ、そっと唇を寄せた。

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設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手 , センラ   
作品ジャンル:恋愛
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潮田 陽菜(プロフ) - senkun1003さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました😊何度も読み返すほど気に入って頂けてとても嬉しいです(_ _*))こちらこそ素敵なコメントありがとうございます(*ˊᵕˋ*) (2022年11月16日 12時) (レス) @page48 id: 68f958ed6b (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - 潮田 陽菜さん» リクエスト答えて下さりありがとうございます😭凄い好みで何度も読み返してます😭素敵な作品をありがとうございます😭 (2022年11月15日 23時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - senkun1003さん» コメントありがとうございます!!3次元に近い感じをイメージして書いてたので汲み取って頂けてとても嬉しいです(*^^*)リクエストありがとうございます!是非書かせて頂きますね!! (2022年11月14日 9時) (レス) id: 68f958ed6b (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - 思いました! すみません、書きたいこと沢山になってしまい長文失礼致しました。可能でしたらリクエストの方よろしくお願いします! (2022年11月14日 2時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - (センラさんが遠征で居なくて寂しかった時の上着をぎゅってしてるところとかからそういうイメージを持ったので)で、そんな夢主にあまり得意では無いサプライズを計画して1日沢山笑わせて甘々してくれるセンラさんを見て、もっと甘えてええんやでって言われたいなぁと (2022年11月14日 2時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:潮田 陽菜 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年8月3日 5時

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