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番外編 ページ32

うらたside





 それは暑い、夏の日だった。




 親戚で旅行に行くことになった。行き先は子供が多いので海。そして、その帰り道にひまわり畑に寄ることになった。正直、疲れてるからあまり気は進まなかった。早く帰ろうと言おうとしたけれど皆興味津々で、そんなこと言える雰囲気ではなかったので仕方なく脱いでいたサンダルを突っかけて車から降りた。




 『ねー!アイス食べよ!──あ、わっくん!!わっくんも一緒に食べよ!』





 降りた瞬間、Aの騒がしい声が聞こえた。そして、俺を見つけた途端に駆け寄ってきて一緒にアイスを食べようとせがんできた。そんな彼女の頭を人撫でして、了承の言葉を零すとAは満面の笑みを浮かべて手を繋いできた。
 
 
 
 
 
 
 『ねぇ、わっくん。後でみんなで鬼ごっこしない?』




 歩きながらAは甘えるように俺に遊びを強請ってきた。皆、という事は俺ら兄弟3人とAの方の兄妹の2人の合わせて5人だろうか。うちの兄が参加してくれるかどうかは微妙だが。





 「いいよ、アイス食べたらな」



 『うん!!』


 嬉しそうに返事をしたAを見て、思わず頬が緩んだ。



──────

​────

──




 「どうしよう、Aちゃんが見つからない……」



 鬼だった弟がAを除いた全員を捕まえ終えた後に泣きそうな声で呟いた。その声に最初は大丈夫だと声をかけていた俺たちだったけれど、怖いくらいに見つからない。



 「Aー!A!」


 皆が声を上げながら探しているけれど返事はない。探し回ってもそれらしき姿は見つからない。もう、足が疲れて来た頃、体が赴くままに歩いていくと、小さな背中を見つけた。


 「───A!」


 反射的に彼女の名前を呼んで、存在を確かめるように抱きしめた。



 「よかった……やっと見つけた」



 しかし、そんな俺の気持ちは露知らず、彼女は嬉しそうに笑顔を浮かべた。



 『A、隠れるの上手でしょ!』



 なんとも憎めない子だ。幼い故に仕方ないのかもしれないけど、もう怒る気にもならない。



 「ホントだよ、誰も見つけれなかったんだからな」



 そう言いながら彼女の頭を無造作に撫で、笑ってみせるとAも釣られたように笑った。そして、自然に2人手を繋いで両親の元に戻ろうと歩み始めた時、彼女がわっくん、と俺を呼び止めた。それに歩みを止めずに返事をした。

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設定タグ:歌い手 , うらたぬき , センラ   
作品ジャンル:恋愛
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潮田 陽菜(プロフ) - はっかさん» コメントありがとうございます!!感想書いて頂けるなんて嬉しいです(><)いつもありがとうございます!!次回作も頑張るのでよろしくお願いします!! (2019年10月29日 15時) (レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - 遅くなりましたが完結おめでとうございます!!細かい感想は後ほど送り付けますがとりあえずこれだけ言わせて頂きます。好き。これからも無理しない程度に頑張ってください! (2019年10月25日 23時) (レス) id: 3cb0d82f4b (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - Nacoさん» コメントありがとうございます!更新頑張りますのでこれからも何卒よろしくお願いします (2019年3月1日 22時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
Naco - さっそく読みに来ちゃいました!!とても、私好みのお話で面白いしとてもドキドキしちゃいました(*´-`*)これからも更新頑張って下さいね!! (2019年2月24日 21時) (レス) id: 6c2e9c4715 (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - 陽音。こたぬきさん» そう言っていただけて嬉しいです!文才あるだなんて言っていただけて光栄ですありがとうございます(,,・ω・,,)更新頑張りますので何卒よろしくお願いします! (2019年1月26日 23時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:潮田 陽菜 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年9月28日 20時

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