【あんスタ】全てを捨てて、君を愛そう【短編集】 (ページ6)

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天祥院英智（死亡）ページ6

「余命3ヶ月です」

そう告げられた時

君は泣いていたね

とても、辛そうにしていたね

見ている僕の方が辛くなってきてしまったよ

余命を告げられた時よりも

君の泣いた顔を見ている方が、ずっと辛いよ

確かに死ぬのは怖い

でも、君の幸せな姿を見られれば良かったんだ

でも、君を泣かせてしまった

僕は、彼氏失格だ

君が泣いた時

僕も泣いてしまって、君を慰めてあげられなかった

でも、君から一緒に死のうって言われた時

本当に驚いたよ

だから、病院の屋上へ来た

……ごめんね

最後に裏切ってしまったね

「一緒に死ぬ」

そう約束したのにね

僕は、君に生きていてほしい

君には、こちら側に来て欲しくない

だって君には、まだ命が残ってるから

人生を最後まで歩んでから

こちらに来てほしい

だから、君を置いて飛び降りたんだ

だから君は、こちらに来ないで

夢ノ咲学園で、青春を楽しんで

敬人に全てを任せてある

……最後に一つだけ、願ってもいいかな

人生最後のお願いだよ

この願いが、叶うのか分からない

僕自身が確かめることも出来ない

だからお願いするんだ

「僕のことを忘れないで」

出来ればでいいから

君に新たな恋人が出来たとしても

それでもいいから

君が幸せになれればそれでいいから

どうか、忘れないで

君に、天祥院英智という恋人がいたことを

君の青春を共にした人が居ること

君を愛している人がいたこと

……この願いが、叶うといいな

僕を愛してくれて、僕に愛させてくれて

ありがとう。愛してる。

天祥院英智が捨てたもの:貴女との最後

天祥院英智が手に入れたもの:貴女からの愛