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妃珂side
名を連ねた今は輝くことも出来ない男女が集う天祥院財閥主催のパーティー。
冷えた目で見られることにも、もう慣れた。
やはり華宮の事業内容は、公開しない方が身のためだな。
「ねぇ司、あれ、妃珂様じゃない?」
「華宮お姉様!?あまりパーティーは好まれない方では.......」
聞こえているよ、姫宮のお坊ちゃんと、
朱桜のお坊ちゃん。
そうだね、いつもなら出席しないパーティーになぜ私が出席してるのか、疑問なのは分かるよ。
まぁ偵察といったところかな。
毒蛇と呼ばれているあの子がいないことは幸いだけど、きっと、あの人にはもうバレてるのかもな。
まぁ、どうでもいいけど。
「やぁ妃珂、お酒を進められたりはしていないかい?」
「.......えぇ、特に」
「それなら良かった。久々にお見えになった麗しの若き華宮当主に皆興味津々だから、心配していたんだ」
「.......そうですか。ですがご心配なさらず」
「.......気分悪くなったりしたらすぐに伝えてね。会場から妃珂の家までは距離があるから、送るよ」
「ありがとうございます」
自力で帰るに決まってる。
家にはあの子達がいる。
天祥院の人間だからって、易々と人の家にあげるわけないのに。
ねぇ、お兄様。私は負けませんよ。
あなたが3年前私になさった仕打ち。
根に持っていないといえば嘘になりますが、
綺麗事ばかり吐いているアイドルより
実力で示した方が合理的でしょう。
そして、ESにいる敏腕プロデューサー。
あんずさん、といったかしら。
できれば、美緒と河南には接触させたくないけど。
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作者名:lie槻 | 作成日時:2020年9月26日 21時