第13話 感情 ページ14
わかってはいたが、普通は人と人との音を聞き分けられないのだ、嘘と真実を聞き分けられないのだ。
どうしよう、どうしよう。もし、説得できなかったら彼女は殺されるのか！？俺、俺のせいで、俺が連れ出してしまったせいで！？
「まず、その鬼と話させてくれませんか？窓は閉め切ったので、日は差さないはずです。」
しのぶがそういうと、善逸はおずおずと籠を包んでいた布を解く。
そして、出ておいで、というと、少し間が空いてAが出てきた。
『…はじめまして……松Aです…』
「…驚きました…すごく流暢にお話なされるんですね」
『え、あ…私以外の、鬼、とやらに会ったことはないので…わかんないですけど、おかしいんですか？』
Aが少し恐れるように聞くと、しのぶは少し下を俯いて、またAを見る
「……人を食べてない弱い鬼は、普通知性を取り戻せません。話せるほどの知性を持つ鬼は、相当人を食べていることになります」
『え、』
「待って！！本当にこの子からそんな音はしないんだ！」
しのぶが冷たく言い放つと、善逸がAの前に出て両手を広げる。
恐怖こそあれ、その目は真剣でしのぶから視線を外さない
「でもそれが事実です、実際禰豆子さんは言葉を取り戻せていない」
「でも禰豆子ちゃんはきちんと言葉を理解している！お花畑に行ったり、なほちゃんたちと遊んだり、普通の女の子みたいに」
「それでも少し幼稚性があります。年相応とは思えない。それに対してそのお嬢さんは言葉を理解した上で綺麗に発音して、年相応の振る舞いに見える」
両者ひかない、ひけない。
善逸にはAの優しさの"音"が聞こえていて
しのぶには"柱"として、人を殺したかもしれない、殺すかもしれない鬼を許せない
「…っ、本当に！それだけですか！」
「え？」
「本当に合理的に判断できていますか？しのぶさんは俺の聴覚の良さを知っていますよね、知っててそれに触れない、そういう音に聞こえないというのを無視してる！」
「……なにが、いいたいんですか？」
「……っ貴方から、Aちゃんを見た時、深い憎悪と嫌悪の"音"がした」
善逸の言葉に、しのぶが目を瞠る。
「感情的に、なっていませんか…？」
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いーさん(プロフ) - 満月雪兎さん» すみません、返信遅くなりました。ありがとうございます！頑張りますね！ (2019年8月20日 19時) (
レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
満月雪兎(プロフ) - 『父を殺した者への復讐を誓う』というところが滝夜叉姫っぽくて好きです。更新頑張ってください！ (2019年8月11日 12時) (レス) id: 5acf868e91 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます！頑張らせていただきますね！ (2019年8月8日 21時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 甘空さん» コメントありがとうございます！そう言って貰えるととても嬉しいです！応援に応えられるよう頑張りますね！いえいえ！本当にありがとうございます！ (2019年8月8日 21時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - 面白かったです。涙腺が崩壊しました。応援しています。頑張ってください。 (2019年8月8日 5時) (レス) id: 16a7c15423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いーさん | 作成日時：2019年6月4日 23時
