【HQ】余命一週間の君と僕【月島蛍】 (ページ11)

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6日目 (5) ページ11

気付いたら夕方だった

長い間屋上に居たんだな。

そろそろかな…

月「行きたいところがあるから着いて来て」

「？わかった」

不思議そうなAを連れてきたのは

近くにある教会

Aはまだ不思議そうな顔をしている

「教会…なんで…？」

この時間、

人は居ない

教壇の前にたってAの瞳をジッと見る

Aは恥ずかしそうに目を逸らす

意を決して伝えた

月「僕はAの事が好きだよ」

するとAは驚いた顔をした

「え……？」

月「聞こえなかったの？」

月「ならもう一度だけ言ってあげる。

僕はAの事が好きだよ」

優しく微笑んだつもりだ

「う、うそ…」

月「嘘じゃないよ。

僕は山口のお見舞いに病院に行って、Aに会ったその日から好きになっていた。

初めはただの一目惚れだった。

でも病院に通ううちにどんどんAを好きになって、一目惚れなんかじゃ収まらないくらい好きになった。

Aの顔も声も性格も大人びた行動も、たまに無邪気に笑うところも…ぜんぶ…全部好きなんだ。

こんなに人を好きになったのは初めてだよ」

「け…い……」

Aは瞳から紅い花弁を降らす

Aが病であるという事を、もうすぐでいなくなってしまうという事を嫌でも知ってしまう

Aの頬をさすりながら僕は続けた

月「A…僕と…付き合ってください」

僕がそう言うとAは花びらを降らしながら、悲しそうな顔をして答えた

「私でいいの……？わ、私は…明日には…死んじゃうんだよ…？
姿形も無くなって……蛍とこれからを過ごす事も出来ないし…」

僕はAを抱きしめて答えた

月「Aでいいんじゃない…

僕はAがいいんだよ。
Aは僕相手じゃ…嫌？」

Aは目を見開いてフルフルと左右に首を振った

「嫌なワケない…！

私だって…病院で会った時から蛍の事好きだったし……出来る事ならこの先もずっと蛍と一緒に過ごしたい…他の子達に渡したくない…」

月「じゃあ…付き合ってくれるんだね？」

「ッ…勿論!!」

そう言ったAに僕は触れるだけのキスを落とした

Aの顔は次第に真っ赤になり、今まで見てきたどんな女の子達よりも可愛かった

この時が永遠に続けばいいのに…

そんな事を考えながら

僕は神様を恨んだ

Aを何故殺すんだ…と。