No.50 ページ6
*
「はぁ…」
深い溜息をつく。いっそ全てを叫び散らしてしまいたい。それが出来たらどんなに楽だろう…
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽―
『嗚呼、そうそう。今回、異能は極力使っちゃ駄目だよ。』
『え、如何してですか?』
『ハンター協会とやらが何を考えてるか判らないからね。若しかしたら私達の力を悪用しようと企んでる悪の組織かもしれないだろう?』
『確かに…』
『特に敦くんみたいなのは怪しい実験でバラバラにされちゃうかも…』
『怖いこと云わないでください!!』
『それから、Aちゃんにはまだ任務のこと秘密だよ。いいね?』
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽―
___秘密が多すぎる。
荷が重い…!荷が重いよ…!僕は隠し事が出来るような人間じゃない。なのに、任務とはいえこんな一気に沢山秘密を抱えなくちゃならないなんて…
「あ、白虎!」
「えっ!?」
“白虎”という言葉に思わず反応してしまう。見るといつの間にか黒いツンツン髪の少年が僕の隣にいた。
「着ぐるみのお兄さんだよね?白い虎の!」
「あー…うん!そうだよ。」
嗚呼、吃驚した…着ぐるみの話か。
「何で着ぐるみなんか着てたんだよ。」
今度は白い髪の少年が僕に聞いてきた。
「大人の事情…否、都合かな。」
「は?」
「僕も着たくて着た訳じゃないんだ…」
「ふーん。変なの。」
そう云えば、太宰さんは何時脱いだんだろう。気づいた時にはもう着てなかったような。着ぐるみを着ろと云ったのは太宰さんなのに…
「なぁ、アンタさ。本当にAの兄貴なわけ?」
「え!?な、何で?」
「だって全然似てねーし。Aはアンタみたいにオドオドしてないから。」
グサッと心に見えないナイフが刺さった音がした。す、鋭い…
「え、えーと…うん!血は繋がってないんだけど、お兄ちゃんってことで…良いのかな?」
「何で疑問形?」
「ほら!Aさ__ちゃんは、僕なんかよりずっとしっかりしてるし?僕も見習わなきゃな〜みたいな?あはは…」
終始、挙動不審な僕を少年は不審そうに見つめてくる。冷や汗が止まらない。もう駄目だ。誰か助けて。
「キルアー。あんまり疑っちゃかわいそうだよ?」
黒いツンツン髪の少年が横からひょこっと顔を出して云った。ありがとう少年。
「別に、疑ってるわけじゃねーよ。ただ、兄貴にも色んな奴が居るんだなって思っただけ。」
「?」
「なんでもねーよ。」
そう云った少年の表情は、何故かとても寂しそうだった。
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マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。はい!ボードの方で仲良くしましょうね!宜しくお願い致します💖 (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - マニ。さん» よかったです!これからよろしくお願いします🌸 (12月5日 19時) (レス) id: 218254b255 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。平気です!ちゃん届いてますし、空欄ではないので大丈夫です!💖 (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - マニ。さん» 再度送って見ました!届いてますでしょうか? (12月5日 19時) (レス) id: 218254b255 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。おけです!ボードの返事お待ちしています。猫ノ栞さん!☺️ (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫ノ栞 | 作成日時:2018年12月30日 16時