戦、開始 1 ページ19
翌日、ドゴォン!!という音で目が覚め、ミラさん達が起き上がり、ボク達が学園の入口へと向かった。
巨大な岩の巨人がゆっくりと学園に進行し、その上には黒マント集団が立っていた。
「ったく……朝の早ぇ連中だな」
エルフマンさんが髪をわしゃっとかきあげ、ボクは寮にいたエース達や他の生徒達に念話で語りかけた。
「“皆さん、起きて下さい。黒マント集団が現れました。場所は学園敷地内の入口前です”」
「くそぉ……オレ様まだ眠いんだゾ……」
グリムが自身の目を擦ると、「“シャキッとしなさい”」「“俺達も今からそっちに向かう”」、「“やっぱりこのまま引きこもっちゃダメ?”」と、ヴィルさんやジャミルさん、イデアさん達の声が聞こえた。
「どうせなら島の人達をビックリさせようと街から来たのに……誰一人いないじゃない。どうなってるのよ」
「騒ぐなイリム。街の人間がいようといなかろうとどちらでもいい。どうせ魔力を持たない奴等ばかりだしな」
瞬間移動の使い手ルギアが嘲笑する中、岩男と呼ばれているイラは「おい、あの雷野郎がいねぇぞ」と辺りをキョロキョロ見回していた。
(ん?他にも、大人数の足音が……)
岩の巨人が止まると、両脇から武装した魔法兵士の大軍が行進してくるため、ボク達は「軍隊!?」と目を見開いた。
「あんな大人数、何処から…」
リサーナさんが冷や汗をかき始めると、ドラゴドーナさんは「オクアの魔法だな。昨日話したろう?オクアは人やモンスターを生み出すことが出来る」と言い、眉間に皺を寄せた。
(確かに厄介な魔法だな。オクア本人を倒せばいいのかもしれないけど)
少しすると、教師陣や各寮にいた生徒達が駆け足でやって来るも、軍隊を見て「何これ!?」と驚いていた。
オクアの魔法だろうと説明すれば、「だとしても、こんな街まで続く大軍を生み出すって……どんだけ魔力高いのよ」とヴィルさんが呟くように言った。
「生徒が足りないみたいだけど……もしかしてアンタ達だけで戦うってのかい?ま、別にいいけど」
怪力女ことスティアがハッと笑うと、アラゾニアが「今日は思いっきり暴れればいい。もしかしたら、貴様等にとって最後の学園生活になるかもしれないからな。ま、そんな“籠”の中で暴れるのは難しいだろうが」と笑い、前に出た。すると、イリムが不敵な笑みを浮かべ、ボク達の周りが光出した。
「な、なんだこれ。文字が……」
デュースの言うように、ボク達の周りには紫色の文字が次々と浮かび上がっていた。
「しまった、術式だ……!」
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作者名:遙 x他1人 | 作成日時:2023年3月27日 14時