いや、俺男なんやけども。【稲荷崎】【男主】 (ページ5)

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4話ページ5

昼飯の後の授業は早く感じるようであっという間に放課後になっていた。

侑「橘く〜ん、迎えに来たで」

ガラッと勢いよく空いた前側の教室の扉に視線が集まり、直ぐにこちらへ向く。

『…廊下で待ってろ言うたやん……』

顔を手で覆いながら小さく呟き肩を落としていればふと声をかけられる。

治「…さっきも思ったけど橘くんっていつから侑と仲良かったん？」

声の主へ顔を向ければ悩みの原因と同じ顔。
宮侑の片割れである宮治と同じバレー部の角名倫太郎が立っていた。

角「喋ってるの今日初めて見た気するけど」

侑「橘くん！はよ行こや」

…このクラスになって数週間しか経ってないが、今までは徹底して深く関わらないようにしていた筈だ。

＿どうしてこうなったんや！！！

侑「おいサム！橘くんにあんま話しかけんなや！」

治「なんやツム、俺たちクラスメイトやしこんくらい普通やろ。なんや、羨ましいんか？」

俺を挟んだまま喧嘩すんなや…でかいねんくそ

『…』

自分よりだいぶでかい双子に挟まれ頭上で喧嘩されるのが嫌で、いちばん害の無さそうな銀島の隣へ移動する。

侑「…あっ、橘くん！？」

治「なんやツム、逃げられとるやん」

侑「うっさいわ！」

『2人ともうるさい……』

銀「ほんまにな」

ゲンナリとした様子でそうかえせば銀島と角名は面白そうに笑った。

そうこうしてるうちに体育館へ着き、バレー部4人は1度部室へ行くようで大人しく入口で待つことにした。

『……はぁ、なんでこんなことになったんや、』

何度目か分からないため息をついていればふと人影が視界に入る。