いや、俺男なんやけども。【稲荷崎】【男主】 (ページ29)

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インターハイ予選当日。

結果から言えば稲荷崎高校男子バレー部は全国出場を決めた。

サクサクと勝ち進み準決勝。

出ることは無いだろうとコーチの横へ座り自チームと相手チームの観察をしていれば第1セットを先取し第2セット、赤木さんと交代することになった。

久しぶりの公式試合にワクワクしつつ準決勝なのにいいのだろうかと不安になったりしたが、コートに入った途端ぶわっと熱が広がりそんな緊張は吹き飛んだ。

侑「お出ましやな」

高校ナンバーワンセッターなんて謳われる彼が言うもんだから相手チームからの警戒するような視線は避けられなかった。

『大袈裟やな、…ま、俺の体力が無くなるまでは後ろん事とかブロックんこととかは気にせんで遊んでてええよ』

なんてカッコつけてみたはいいものの、こいつはいつでもそうだったなと思い出し少し気まずく思っていれば

侑「あは、頼もしいわ」

尾「ホンマにな！」

治「なんや、Aは赤木先輩ん時とはまた別の安心感があるよな」

角名「だね」

┈

スタミナがもう限界になってきたところだったが、いくらスパイクを打っても点が取れない、そんな苛立ちと焦りに飲まれた相手チームは呆気なく2セット目も落とし、敗退。

決勝戦はフルセット赤木さんが出て、稲荷崎(ウチ)は全国への切符を手にする。

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