1番の君に。【御幸篤】 (ページ5)

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#03｢でけぇ奴｣ページ5

私と健次は家に帰る為に校内を出ようと歩く。

健次がﾁﾛｯと後ろを見る。
呆れたように前をまた見る。
もう一度後ろを見る。

祇｢･･･ついてくんなよ！！｣

石｢こ、校門までは許してよぅ！！｣

周りの先輩方は部活に行く準備や、新入生の募集で忙しそうにしている中、私たちはゆっくりとまた歩き始めた。

石清水くんも後ろに付いてきている。
なんでそんなにビクビクしてるんだろう･･･

疑問に思っていることは素直に聞いた方がいい。
そう思い、2人に話しかけようとすると、

3人｢さっき/あのっ/ねぇ｣

･･･見事に重なった

石｢ﾄﾞｳｿﾞ、ﾄﾞｳｿﾞ･･･｣

石清水くんが顔をバッグで隠しながら先を譲る。

貴｢･･･何健次｣

祇｢･･･さっきてめぇに抱えられて思ったけどよー｣

祇｢でけぇ奴は見える景色も、できることも全然違ぇんだな｣

貴｢･･･健次･･･｣

私は気にならなかったけど、健次は気にしていたんだ。
男の子は中学の間に何10センチも大きくなるのが普通だけど、健次はあまり伸びなかったから。

と少し思ったのに、健次はその思いをぶち壊した。

祇｢だぁぁぁぁぁ！！！ムカつくーー！！！！｣

石｢ギャーーーッッ！！｣

いきなり石清水くんの胸ぐらをジャンプしてつかみ始めたと思ったら、
よくわからないイチャモンを付け始めた。

祇｢何食えばそんなにでかくなんだよ！！！｣

その姿はまるで威嚇した猫のよう。

祇｢1日何ℓ牛乳飲んでんだよぉ！！！｣

そう言えばこの人、ちょっと1日2ℓ毎日飲んでんだっけ。

･･･マメだなぁ

石｢うっうちは基本麦茶だからァァ！｣

祇｢じゃあ麦茶飲めばいいのか？！｣

石｢いや、牛乳のほうがいいとは思うよぉ！！｣

祇｢なんだてめぇ馬鹿にしてんのか？！？！｣

･･･このままだと石清水くんが死んじゃう。
そう判断した私は健次を石清水から引っ張り剥がす。

祇｢おわっ何すんだA！｣

貴｢健次、このままだと石清水くん死んじゃうから。｣

祇｢･･･チッ｣

舌打ちして大人しく地面に下ろされる健次。

･･･石清水くん。本当に明日学校これるかしら･･･

少し心配になった。