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50、罪に罰は付き物で ページ8

「病院へ向かいなさい。あの女、死に掛けとはいえ人質くらいにはなるでしょう」




トタンを打つ雨音が大きく響いている。
コンテナの上を走って行けば見つけた土方さんの姿。
そうか、あの車の中に蔵馬が…


「土方さーん、探しましたよ」

「…不信娘…追い掛けてきたのか」


タイミングを見計らい、ボンネット部分に飛び移る。

 
「ふ、振り落とせッ」


すると車が左右に大きく揺れた。


「ちょ、ちょっと安全第一!!
教習所で教わらなかったんですか!?」

「何をやっている!早く撃ち殺せ」


その声に、ピストルを構えたロン毛のおじさんが窓から身を乗り出してきた。


「いやぁああッ!!殺されるぅう!
やめてぇえ!!」


顎を足で蹴飛ばせば車外へ転がっていった。
あれ…なんかごめんなさい。


「A!?何でお前ェ、んなとこに居んだよ!」


聞こえたきた声は…


「銀ちゃん!」

「て、てめェ」


「…安心しな、せんべい買いに来ただけさ。
てめェらで届けてやりな」


そう言って、銀ちゃんは木刀をタイヤに刺した。

そして土方さんは蔵馬の肩を貫いた刀を抜き、その刀を反対側のタイヤに刺す。
私は苦しみもがく蔵馬に呟き掛ける。


「罪は必ず罰せられる。因果応報です」


それは蔵馬に…自分に向けた言葉だった。
車から立ち去るべく、飛び上がる。


その途中蔵馬は言った。


“裏切り者”と。

私は笑みを浮かべた。自嘲的な、そんな笑みを。





コンテナの上から下を眺めれば、車の前に立っていたのは。…月明かりに照らされた亜麻色の髪。



「沖田ッ…」



刀を振り上げたその姿は何処か軽やかに思えた。
彼もまた、何かを乗り越えたのだろうか。


その背中に迷いなんてなくて。




爆発的な炎に辺りは包まれた。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組万事屋   
作品ジャンル:恋愛
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千歌(プロフ) - ☆さん» 大好きだなんて物凄く嬉しい限りです!!これからは少しずつでも更新頑張ります、ありがとうございます! (2021年8月22日 23時) (レス) id: 0adde8f269 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - おかえりなさい!ずっとこの作品が大好きです。作者様のペースで無理なさらず更新してくださいね。 (2021年8月20日 22時) (レス) id: 9c28cba465 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千歌 | 作成日時:2020年12月6日 16時

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