＊５６、変わった ページ15
「よォ、苦しみもがいてんな」
「クソドSめが…針刺さってんだぞ！
こちとら死に掛けてんの！！」
ふと目に入った瓶に生けられた薔薇。
あり、俺がこの前置いていったピンクの薔薇と…赤薔薇が２本。……とんだロマンチスト野朗が。
「その赤薔薇、誰からでィ」
「え、やっぱり沖田くんからじゃないよね！
じゃあ土方さんかな？」
「土方みてェな堅物にんな洒落た事できねェよ。
心当たりは？」
「う〜ん……ない。
あれ…待てよ、するとピンクの方は誰が…！？」
「俺」
口をポカリと開けてこっちを見ている。
柄じゃない事なんざ、自分で一番分かってんだよ。
濃いピンクの薔薇の花言葉は“感謝”。
ここまで出しゃ分かると思うが、口にするタイミングを逃し今に至る。
本当は奴の事を土方に聞き、病室に押し掛けた時言おうとした。が、自分の不器用さを思い知るのみで。
きっと内心軽蔑してんだろうな。
「凄く嬉しい。花なんて貰ったことなかったから。
あり…「だろうな」喧嘩売っとんのかワレェ」
礼は俺が言うべきで、言われる義理は何もない。
予想はまるで明後日の方角へ外れた。
嬉しそうに笑っている。俺を一直線に見つめて。
あぁズリィ…無意識が一番たちが悪ィ。
「随分と変わったもんだ」
「何が」
初めて会った日。番傘を預かった日。
あの時とはまるで違ェ。
まるで別人だ。
で、問題は…２本の赤薔薇。
花屋の入れ知恵で確か…花言葉は。
［この世界に二人きり］
コイツにゃ言わねェ。言や、絶対ェ一人で抱え込もうとすっからな。
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千歌(プロフ) - ☆さん» 大好きだなんて物凄く嬉しい限りです！！これからは少しずつでも更新頑張ります、ありがとうございます！ (2021年8月22日 23時) (
レス) id: 0adde8f269 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - おかえりなさい！ずっとこの作品が大好きです。作者様のペースで無理なさらず更新してくださいね。 (2021年8月20日 22時) (レス) id: 9c28cba465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千歌 | 作成日時：2020年12月6日 16時
