52、聞かれた秘密 ページ11
それから数日後、恐怖の検診。
「夜兎族さんなら、手術より兎に角食べて寝る方が早く治るんだよね〜夜兎だけに!」
「…先生、寒いです」
どうやら偶然担当になった先生は、天人も診察しているらしく大量の入院食を処方?された。
ヤブ医者か!?
完治2ヶ月は掛かるところが、2週間でいけんじゃね
との事。
・
「足の骨折ぐらいでそんな気負うなヨ!
夜兎なら屁でも無いネ」
そっちに気負ってるんじゃないんだよなぁ…
「そりゃどういう事でィ、A」
「お、沖田ッ…」
今の…聞かれた?
そしてこの前、名前を覚えたらしい。
「おいッ。なにAの事、名前で呼んでるアルか!!きもいからやめるネ!」
疑心暗鬼って呼ばれるのも嫌だけど…
「てめェにゃ関係ねーんだよ。黙ってろィ」
「二人共、病院で暴れないで下さいよ!!」
「あれ新ちゃん!!来てくれてたの、嬉しいよ!」
いつの間に…気付けなかった。
メガネ、浮いてるなぁとは思ったけど…
「聞こえてんだよッ!!何でメガネだけッ!?
メガネより影薄いって事なの!?」
いつもの様に神楽ちゃんと殴り合う沖田はどうにも傷付いてる様には感じられない。
やっぱり我慢してるのかな。
泣きたいのに、泣けないのか。
沖田は人に頼らないように思える。力的な強さ故か。
「お前なんかと関わってる時間が無駄ネ。
A、帰るアル。バイバイ」
おいィイ!!お前のせいで秘密バレたんだけどッ!?
お願い、二人きりにしないで!
あ、新ちゃんが居るか。忘れてたよ!
「今日、稽古あるの忘れてたッ!
姉上に殺される…あとで銀さん来るって、じゃ」
今、この子感傷的なのッ!!
姉上とか口に出さないだげて!つーか…
「私も行…グぇッ」
「その折れた足で何処へ行くって?」
勢いよく起き上がると患者衣の首元を引かれた。
うーん。どうしてくれようか、この状況。
気まずい…視線を窓の外に向けた。
「夜兎なのかィ、お前」
「…半分」
「へェ、ハーフか。通りで色白いわけだ。
で、江戸に来る前は何処で何してやがった」
それは…あの花火大会の日も聞かれた事。
逃げられないのをいい事に、聞いてるんだと思う。
どうしよう…
あ、いい事思い付いたわ。
私って天才…ナースコールに手を伸ばした瞬間。
手首を掴まれた。
「させっか。
なァ。
俺は人の過去聞いて軽蔑出来る程、綺麗じゃねぇ。
だから話せよ」
珍しい真剣な眼差しだった。
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千歌(プロフ) - ☆さん» 大好きだなんて物凄く嬉しい限りです!!これからは少しずつでも更新頑張ります、ありがとうございます! (2021年8月22日 23時) (レス) id: 0adde8f269 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - おかえりなさい!ずっとこの作品が大好きです。作者様のペースで無理なさらず更新してくださいね。 (2021年8月20日 22時) (レス) id: 9c28cba465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千歌 | 作成日時:2020年12月6日 16時