第十五話 ページ17
夜は余計なことを考えてしまう
悪い癖だ
そのまま眠ることができずに朝を迎える
中也さんが来る前に支度を終わらせよう
髪を一つに束ね赤いリボンの髪飾りをつける
『よし』
このリボンは誕生日に貰った物だ
とたも気に入っている
コンコンっ
『はーい』
ガチャリ
「今日は早起きだな」
『たまには早起きもいいかなって。久しぶりにノックしてくれましたね』
昨日眠れなくて…なんて言ったらガキってからかわれそうだから辞めておいた
「たまにはな」
『いつもして下さい』
「気が向いたらする」
まだ時間に余裕がある
『あの、横浜駅を散策したいです』
「そうするか」
『行きましょう‼』
「やけに張り切ってるなお前」
『だって京都ですよ?舞妓さんに清水寺に八つ橋とか!それに横浜駅もあんまり見たことないので!』
「ガキか」
言われないように気をつけてたのにやってしまった
ここはもう開き直るしかない
『ガキで悪かったですね』
「ガキらしくて良い」
『な、なにを!馬鹿にしないで下さい」
「そっちのほうが良いってこと。無理して大人っぽくなろうとしなくても年とりゃ大人になんだろ」
たしかにそうだけど
そしたら私は中也さんに追いつけない
どんどん遠くなってしまう気がする
一人になりたくない
「俺はお前の側にいる」
ときどき見透かされているような気がする
どうしていつも私の欲しい言葉をくれるんだろう
『約束ですよ』
「約束は守る。行くぞ」
『はい』
私がポートマフィアに、この闇の世界に居られるのはあなたのおかげかもしれません
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凛霞 | 作成日時:2016年12月27日 0時