巡り会う妖と人の子９

第４０３話〜妖怪コマ回し勝負！〜 ページ31

カズオ「うわぁ、ホントだ！」

ねずみ男「な？」

早速カズオはキノコに手を伸ばし、掴み取った

するとキノコを取った途端、土の中からあまめはぎが回転しながら出てくる

その手には紐と、カズオと同じ形のキノコが持たれていた

あまめ「オラのキノコ取ったな？コマ勝負だ！」

カズオ「ひいっ！？」

突然土の中から現れたあまめはぎに悲鳴を漏らし、少しずつ後退する

カズオ「ひっ、ひ…助けてぇ！！」

恐怖で逃げ出そうとするも、木の根に足を引っ掛けて転んでしまった

カズオ「うっ！」

転んだ勢いで片方の靴も脱げてしまう

ねずみ男「少年…あまめはぎ先生からは逃げられないぜ？」

カズオは転んだ先に待ち構えていたねずみ男を見上げた

ねずみ男「ひっひっひっひ…」

そしてあまめはぎも後ろからジリジリと迫り来る

あまめ「コマ勝負しねぇのか？

なら仕方ねぇ…」

あまめはぎはカズオの足に目をやり、靴が脱げた右足を無理矢理顔の前まで持ち上げた

あまめ「オラ足の裏の皮が大好物だ

臭くてジメジメしてて美味いからなぁ…！」

妖怪でもドン引きするような好物を聞かされてじっとしている訳もなく、カズオは振り解こうと足を動かす

…が、あまめはぎの力は異様に強い

あまめ「特に子供のは最高なんだよ！

コマ勝負しないとビリビリ剥いて食べちゃうぞ〜！」

鼻息を荒くしながらカズオの足の裏を顔に近付ける

カズオ「や、やめて！！」

あまめはぎは舌なめずりをして怪しげに囁いた

あまめ「んじゃ、コマ勝負するか？」

カズオ「イヤだ！！」

反射的にそう答えると、あまめはぎはカズオの足の裏を一舐めする

カズオ「い"や"ぁぁぁぁぁぁぁ！！！！コマ勝負しますぅぅぅ！！！」

その気持ち悪さと恐怖に負けて、カズオはほぼ悲鳴に近い絶叫で頷いた

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あまめはぎは森の中のちょっとした広場まで来る

あまめ「最初からそう言えばいいんだ

久しぶりのコマ勝負だぜ〜！てぃやぁっ！！」

あまめはぎはコマの形をしたキノコを回す

そしてカズオの方を向いてコマを促した

あまめ「さぁ！お前も回せ！」

カズオ「うん…！

っえい！」

負けられないコマ勝負、カズオも自分のコマキノコを回す

だが、あまめはぎのコマより回転が心許ない

そしてカズオのコマは、あまめはぎのコマにあっさり弾かれてしまった

カズオ「あっ…あぁ…！」

あまめ「へっへっへ！オラの勝ち！」

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