Req.心配が常です ページ7
｢くそ、なんで俺が……｣
｢舘さんとのジャンケンに負けたからでしょ？｣
｢うるせえ！買い物メモ持ったか！｣
｢はーい｣
｢はい、いってらっしゃい2人とも。阿部、翔太をよろしくね｣
｢ちゃんと見張っておくよ｣
｢子供じゃねーっての……｣
昼下がり。
なにやらジャンケンで負けたらしい渡辺は阿部を連れて今日の買い出しに出ることに。
宮舘は｢おやつ作って待ってるね｣と優雅にソファで紅茶を飲んでいた。
｢……あ、これか？｣
｢うん。はい、カゴに入れてー｣
｢次、なにこれ、カリフラワー？｣
｢野菜のとこならさっき通り過ぎたよ｣
｢先に言えよお前！｣
｢だって先にみりんとか買うって言ったの翔太だよ！？｣
人の往来が激しいマルシェ。
屋根がついた広場の中で、やいやい言い合いながらメモに書かれた物をカゴに入れていく。
ときたまに翔太が個人的に欲しいものを入れてくるんだけどそっと返してる。怒られないけどちゃんとしないのは嫌だからね。
戻ってきた野菜の所で、元気に売りさばいていたお姉さんに声をかけられた。
それに乗せられるがまま翔太は野菜を買い足してく。
カリフラワーはまだカゴにはない。
｢お兄さん太っ腹だね！まだ買うかい？｣
｢翔太、お金足りなくなるよ？｣
｢う……それは困る｣
｢ていうか入れすぎ。ネギとか書いてないもん｣
｢しょうがねーだろ！あの人勧めるのうまいんだもん！｣
｢カリフラワー買いに来たんでしょ？もう、これ戻して｣
｢くそ……｣
当初のお目当てであるカリフラワーをようやく買い、お姉さんにお金を渡す。
次はメインディッシュの魚だ。まるまる1匹使うって言ってたから、それなりに大きいやつの方がいいかもしれない。
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作者名：麗華 | 作成日時：2020年6月11日 2時
