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それから、あいつとの戦闘の時のこと、創造者《Schöpfer》という能力のこと、腹部の傷のことをゆっくりと彼は語った。
「お腹の傷はそういうことだったんだ……」
「その傷、康二が縫ったの?」
「ああ、うん……下手くそやろ?血ぃ出てきすぎて大変なことになってしもうたから、なんとか止めなと思ったんやけどなぁ」
「無茶しすぎでしょ……」
肩を軽くはたき、ため息をつく。
「じゃあ、あそこで倒れてたのは?」
「……力尽きたんちゃう?」
「そこは覚えてないんかい」
「まあ何はともあれ、思い出してくれて良かったよ」
「このままじゃまじでお荷物だったからなお前」
「それは嫌やわぁ……でもちゃんと戦えんでこれからは!なんでも武器出したる」
「何でもは怖いけど……でも良かった。これで万事解決、だよねふっか」
「んえ?うん、そうなんじゃない?」
「話聞けよお前」
いつぶりかの柔らかい空気に、9人の誰もが安堵した。
しかし、これだけで事が終わる訳でもなく。
「ーー9人全員の能力を確認しました。どうしますか?」
『……Mitnahme』
「了解」
仲良く談笑する9人を写す小さなレンズの向こうで、男は立ち上がった。
向かう先は、1台のメルセデスAMG。
「中将が許可した。行くぞ」
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作者名:麗華 | 作成日時:2020年6月11日 2時