弓引きて、出逢ふ仲間 (ページ5)

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4話ページ5

森「弓道では弓を引く時の作法がある。
先ずは一礼し、すり足で所定の位置へ向かう」

その間にも鳴宮は作法をこなしていく

森「立ち上がり、自分の立ち位置を定め、的を見る。構えて…そしてゆっくりと弓を引き絞り……」

鳴宮はそのまま弓を引いた
会の状態になる前に矢は引かれ…当然中ら無かった

(早い…)

森「皆に見られてて緊張したのかのう…さっもう一回じゃ」

森「弓道では必ず一度に2本か4本矢を射る事になっておる」

それでも矢張り矢は的に中らなかった

(若しかして…早気？)

鳴宮は絶望的な表情をしていた
それと同時にある事を思い出した。
去年中学最後の団体戦の試合の時─どんどん早気になっていった子がいたのを

(成程あの時の…)

それよりも前に見た時は会が凄く綺麗だったのをよく憶えている

説明会はそのまま終わり私達は後片付けをしてからの解散となった。
その時も始終鳴宮は暗い表情をしていた

片付けが終わると鳴宮は真っ先に着替えに行った

私はぼんやりと外を眺めていた

湊「俺はもう弓引きじゃない！」

部屋からそんな声が聴こえた
扉を開けようとしていた静弥は躊躇して鳴宮は扉を開けて2人は向かい合う形になった

海「おい待て！」

遼「湊…具合悪かったのか？」

心配そうに山之内は鳴宮を見つめた
鳴宮は竹早に体操着を叩くように渡すとそのまま帰って行った

森「竹早くん、彼は若しかして……」

静「「早気」です」

その場の空気は重く苦しい空気になり凍りついた様だった─

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