弓引きて、出逢ふ仲間 (ページ40)

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39話ページ40

皆が神社から帰ると私と雅兄、蓮兄のみになった

(それにしてもなんで昨日海斗にあんな話しちゃったんだろう…)

態々早気になった時の話なんて。
湊は同じ早気になった人だったから理由はあるけど、何故かポロッと言葉が零れたのだ

でも不思議と海斗には話してもいいと思えたのだ。
よく分からない感情に首を傾げた

滝「A」

「雅兄！」

縁側に腰を掛けていると雅兄がお茶を置いたお盆を持ってこちらへ歩み寄ってきた
蓮兄はどこかへ行ったのでいるのかすらも分からない

「男子5人仲良くなったね」

滝「そうだろう？」

「心配は杞憂だったよ」

満足気に頷いた雅兄がふと真剣な表情になった

滝「昨日調子が良くなかったが大丈夫なのか？」

「(やっぱりその事か…。)あー、うん。
今日は良かったし大丈夫だよ」

滝「昨日何かあったんだろ」

薄々その事を言われるのは分かっていたけどいつになく鋭い雅兄に驚き目を向けた

滝「挙動不審だ。
本当にわかりやすいなAは」

「昨日は…少し」

滝「少しなんだ？」

昨日見た話をすると顎に手を当て難しそうな顔をした

「子供みたいだね」

滝「それは違うだろ。
教えて貰っていたならまだしもそうでないなら複雑に思うのも無理はない。」

「まぁ…そうだね」

滝「それにしても、Aは相変わらず心情が弓に出るな」

はははっと雅兄は可笑しそうに笑う

「そーですね！」

ヤケになって言い返すと雅兄は困った表情になった

滝「別に悪い意味で言ったわけじゃない。
お前の弓は何時でも真っ直ぐで素直だって褒めたんだよ」

「褒められた気がしない…」

可笑しくなって一頻り2人で笑うと

滝「ほら、いつまでも此処にいないで帰れ帰れ」

雅兄は私を追い出すようにして家に帰るように背中を押した

「ばいばい雅兄」

滝「おう、またな」

背中から気をつけて帰れよーという声を聞き私は帰路に着いた