第5話 距離の詰め方 ページ7
朝早く目が覚めてしまった為、手持ちの本を片手に散歩をしていた。そこで腰掛けるには良さそうな木があったからそこに腰かけ束の間の休息と言わんばかりに小説を読んでいた時
「おはようA」
驚き二度見した。
いや、彼が声を掛けてきたことでは無い。ずっと前に此方に歩いて来る夏油の事は気付いて居たが真逆出会って三日の同級生を呼び捨てする人だとは思わなかったのだ。
「…おはよう夏油」
私の動揺も知らず夏油は何を読んでいるの?となんて事無さそうに隣に腰掛ける。
少し距離を置くと困ったように笑う。
「大したものじゃないよ」
「そっか」
「……」
「……」
会話は余り得意じゃない。
人と関わることなんて微塵もなかった人生の中で対話をしていたのは家族と雨だけでそれも向こうから話題を広げてくれていた為に私が苦労してきたことは無い。
「何してんのお前ら」
「やぁ、おはよう悟」
五条は先程の私と同じ心境なのかうげぇとでも言いたげな顔でその秀麗な顔を盛大に歪める。
「何コイツ昨日の今日でもう名前呼び?」
五条も私と違えど大体同じ様に生きている為いきなりの名前呼びに奇妙だと感じるのも無理は無い。
「そうみたい」
「別に普通だろ?」
「「普通じゃない」」
声を揃えた私達を化け物でも見るような目で見てきたので私達も同じ目で見返したのだった。
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卯月@スイ(プロフ) - ナッツさん» コメントありがとうございます!!がんばりますね! (2021年1月20日 7時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - ニヤニヤしながら見てしまいました(^^)更新楽しみにしていますっ! (2021年1月19日 22時) (レス) id: 528660073f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2021年1月14日 15時