第37話 どうか名前で呼んで ページ39
夏油side
Aが帰ってきてそれとなく話をしているがピタリと動きを止めてしまった。
“友人からの借り物”だと言う小説を慈しむように手で触れるAは優しく穏やかに微笑んでいる。
そんなに大切な人が居たのかと貰ったスポーツドリンクを思わず握り潰しそうになる。
「夏油?」
あぁ、名前で呼んでくれないだろうか。
そうすればこの胸の中に渦巻くドス黒い
「調子が悪いの?」
「いや、大丈夫だよ」
「そう?……でも、汗が冷えたら風邪を引いてしまうわよ?」
「あぁ、そうだね。ありがとうA
じゃあ、また」
「えぇ、また明日」
見ず知らずの友人とやらが心底憎かった。
友人について詳しく聞こうとも思ったが不思議がられるのは間違い無い。
そうだ、明日こそはAに名前で呼んでくれないかと聞いてみようか。
恐らく何にも考えずに呼んでくれるだろう。
Aはそういう人だ。
「前途多難だ……」
今まで女性に事欠かなかったこともあり、しかも相手はほぼ世間知らずのAだ。
口説き方なんて分かったものじゃない。
苦々しく空を見上げ舌打ちを打った。
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こんにちは作者の卯月@スイです
順位もまた更新されてました!ありがとうございます!
お気に入り登録も100人を超えとても嬉しいです!
最近更新スピードが遅く申し訳ないです…。
なるべく、更新出来るように頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!
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卯月@スイ(プロフ) - ナッツさん» コメントありがとうございます!!がんばりますね! (2021年1月20日 7時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - ニヤニヤしながら見てしまいました(^^)更新楽しみにしていますっ! (2021年1月19日 22時) (レス) id: 528660073f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2021年1月14日 15時