【A3!】舞台から落ちたら演劇の世界にいました２【男主】

チャラパーリーピーポー ページ30

そんな和やかとも言える俺達が劇場についてしばらく。その先輩とやらが現れた。

｢こんちはー！｣

バタリと扉を開いたかと思いきや、すぐさま舞台の上に登りはしゃぎ始めるコミュ力高男こと三好一成。

｢はぁ……｣

反対にどんどん沈んでいく綴に俺はなんと声をかけてやればいいのやら。

一成がどんな経緯でああなったかは軽く知ってるけど、あまりにもクラスに一人はいるテンプレウェイ系過ぎて多少の驚きを隠せない。

てか話変わるけどコミュ力高男って別に普通に良くない？俺なんて｢偽善者｣だよ？何この扱いの差。

｢つづるん！？｣

｢そこはスルーで｣

｢うざい｣

｢真澄、分かるけど黙って｣

｢お前も大変だな｣

｢Aさん、マジでその通りっす……｣

なんだこいつ思いのほかテンション高いぞこりゃ……ゲーム内だからあそこまでセリフが絞られてるだけで実際はヤバいな。どこで息継ぎしてんの？

｢キャラが負けちゃうヨ｣

｢いいから、黙ってて｣

大丈夫ですシトロンさん。あんたもかなりいい勝負してるから(総合的に)

｢とりまソッコーでラフあげちゃいます｣

｢じゃ、俺たちまだ稽古あるんで｣

｢あ、ちなみにこれ今のサイトな｣

早急に追い出そうとする綴に割り込むようにして、今の公式サイト(多分支配人の力作)を一成に見せてやる。

｢ちょっとAさん！！｣

｢え、いや、現状は知っとくべきかと｣

俺と綴が言い合っていると、それを遮るように大声を上げる一成。

｢なにこれなにこれやべぇー！！超合成感ぱねぇ！マジでヤバすぎウケるー！｣

これは創作意欲バリバリに湧いちゃうよん！俺のインスピレーションが……とか言い出しその場を駆け回るコミュ力高男。

……え、何これ俺のせいなの？俺が悪いの？あ、俺が悪いんですねごめんなさいだからそんな恨めしそうに睨まないでください綴さん。

｢その……正直すまんかった｣

｢この罪は重いっすからね｣

だってまさかあんなに暴れ回ると思わないじゃないですか……頭のネジでも吹っ飛んだのかと思ったよ俺。

｢ジャマなんで、帰れ｣

最後には綴の押しが効いたのか、あっという間に一成は去り、嵐の後のような静けさが訪れる。

｢あんな風に追い返して大丈夫？｣

｢基本的にいい人なんで｣

この十数分で悪い所しか見られなかったのですがそれは。至さんなんてすぐさま舞台裏に退散してたからね。

｢ごめんごめん。だっていかにもめんどくさそうでさ｣

この人マジどうしてリーマン出来てるの？

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