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ったく、どこ行ったんだよ。
兄様が「Aさまが心配でして探してきてもらえませんか？」と言うもんだから探しに行ってるんだけど。今は祭りが終わって、境内の前は人でごった返している。
中には居ないので外かなと思って探しに行こうとしたら、この混雑。祭りって厄介。楽しいけどな。
人だらけの道を通る。裏通りを見たけど、そこにもいない。公園にもいない。帰ったか？
でも兄様に言われたし。
うーん……………
「ったく、しょうがねぇなあ、もう！」
腕まくりをして気合いを入れ直して探す。
もう1回、この近辺探して境内の中探すか。見落としてるかもしれねえし。
息を切らして、探しまくる。何処にいるかなんてわからない。だけどあの時の兄様の顔。物凄く焦っていた。だから何かあったんだよ。
何があったかなんて話してくれるか分からない。
それでも探して見つけて、傍に居ることぐらいは出来るから。
境内の中を探していく。石段、参道、手水舎、拝殿前、絵馬掛所、末社………
何処にもいない。残るとなると、本殿のある鏡池の方だ。拝殿の裏手へ周り、草が生い茂る中を歩いていく。
…………でも何で池の方に居るんだ？本殿の方なんて近づく事殆ど滅多にないのに。
今はそれは関係ないか。考えを振り切って、草をかき分けていく。
人影が見えた。彼女だ。
一人で池のそばに立ち、何処か遠くを見ているようだ。声を掛けると振り向いた。
「何してんの？もう、兄様が心配してたんだぜ」
「そう……」
「そうって………ほら、ここ意外と冷えるから中行こう」
「………」
「Aちゃん？」
「………獅子王くんは、好きじゃない人にキスされたらどうする？」
「え、何急にどうしたの」
「勘違いして、好きな人だと思ってたら違くて、告白されて、キスされて、勝手にさようならって言われて」
「本当、自分勝手。三日月さん困ってたなあ」
Aちゃんはそう言って鼻で笑う。
三日月、じっちゃんと何かあった。というより告白したんだ。
勘違いってなんだ？だって三日月さんに好かれていただろ？それでキスしたんだろ？普通なら嬉しい話じゃないのか。
Aちゃんが三日月の事を好いているのは、勘づいていた。だから、自分の気持ち押し殺したのに。
なんで笑ってないんだよ。
感情に任せて、彼女を引き寄せる。
「あ、の」
「なあ」
「な、に」
「好きになって俺の事」
彼女を抱き締めて耳元で囁いた。
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
