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「なんで隣に座ったんです」
「別に良いだろう？恋人の隣に座ることぐらい、な」
ははは、と彼は笑った。
恋人ですか。でも貴方のいう恋人は“私”じゃないんでしょう？
………今、私の気持ちを言って彼が幸せになるかなんて分からない。だけど少なくとも、私は幸せになれる。
彼と距離を置ける。話すことも無くなる、もう接する事すらなくなるだろう。それでもいい。私の単なる我儘だけれども。
この気持ちに区切りをつける事が出来るのだ。
私は立ち上がり彼の前に立つ。
「む？どうかしたのか」
「お話があります」
「………うむ」
私の真剣な表情を読み取ったのか、彼はいつもみたいに巫山戯たことを言わない。ただ、私の事を見た。
彼の藍色に染まった瞳、そこに私は今どんな風に映っているのだろう。
「三日月宗近さん」
「ああ」
一呼吸置く。
告白なんて初めてだった。
好きな人に想いを伝えるのが、どれだけ勇気が必要で、どれだけ緊張するか。
少女漫画の主人公になったようだ。
心臓の音がうるさくて、耳にまで鼓動が届く。手は変な汗が滲んで、身体が少し痺れる感覚に襲われる。
「あなたが好きです」
「こんな気持ちになるだなんて思ってませんでした。でも、どんどん惹かれていった。そしてあなたが好き、って気づいた」
「A…………」
「けれど、あなたとは居られない」
「………は？」
「三日月さんのことが好きだから、一緒に居たくないんです」
「どういう」
「ごめんなさい」
「意味がわからぬのだが」
「私は、あの人じゃ無いですから」
「あの、人……？」
これでいい、これでいいの。
「何を、言っている……？」
「ごめんなさい」
「何故だ？何故謝る」
「謝らなきゃいけないんです」
「訳が分からぬ、教えてくれ」
「そのうち、分かりますから」
私がその場を去ろうとすると、彼は腕を掴んだ。
三日月さんの顔は何が何だか分からないような顔をしている。混乱して、いつもの美しい顔が少しだけ崩れていた。
貴方は、そんな顔もするんですね。
その顔を見て今微笑んでいる私は、何なんだろう。狂ってるのかな。
「もう、貴方とは話す事が殆ど無くなると思います」
「…………A、どうして、そんな」
「三日月さん、もう喋らないで」
私は彼がこれ以上言葉を話さないよう、
唇を重ね、塞いだ。
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
