居眠り好きな彼［ 紫 ］

# 記号問題 ページ5

「やからここがこうなんねん 。」



















… 悔しい 。


結局 、問題を解けずに苦戦していた私。

彼はその様子を見て満足そうに

微笑んだあと、また教えてくれた。



















「分かった？」

『…分かりました』

あれだけ自信満々に言った手前、

自分自身にもイラつく。



















「まぁ… w 元気 w 出しーや」

『…せめて笑いこらえてから

言ってくださいよ。叩きますよ』

「ごめ w ん ww」

もう隠す気もなく笑い出す彼。

私は、ふん、と顔を逸らして窓を見た。



















今日に限って澄み切った青。

雲ひとつ無い空。






私の心とはまるで正反対だ。



















「おーい、雪音。

ぼーっとすんな 、ここ答えろー」

『え、あ、…』

いつの間にか、ぼーっとしていると

授業は進んでいて、

私は教科書をめくりながら焦った。



















「 … 記号問題。答えはイ 。」



















隣から声が聞こえた。

私は、答えられないのか？と怪訝な

顔をしている先生に、その言葉を

繰り返す。

『イ 、です。』

「… 正解。流石だなー」

そうして開始された授業。

私はほっとしながら隣を見る。



















『ありがと 。』



















もう顔を伏せていた彼に、私の声が

聞こえたかどうかは分からなかった。



















… この授業だけは、居眠り

見逃してあげてもいいかな 。



















私は 、ノートに“ 記号問題 答 イ ”と

書き込みながら心の中でそう呟いた。



















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またのお越しを。

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