# ちょっとは ページ25
目を覚ましたら、
白い天井が広がっていた。
見覚えの無い天井に、ぼーっとしていると
( がたっ )
隣で大きな音がした。
『…は?』
椅子から崩れ落ちた様子。
『…大丈夫?』
「っ…こっちのセリフや阿呆!」
『うるさい …』
「あ、ごめん」
そう言って椅子を建て直して座った彼。
私も体を起こして周りを見回すと
どうやら病院の個室のよう。
「大丈夫ですか?」
そう言いながら入ってきた看護師さん。
「大きな音しましたけど …
起きられたのですね」
微笑むナースさんに頷く。
「すんません、僕が驚いて椅子倒しちゃって」
苦笑する彼に、
看護師さんは少し笑って、私の頭に手を当てた。
「熱は下がったようですね。
今日1日はここで過ごして、明日は帰宅されて
構いませんよ」
『ありがとうございます』
「いえいえ。また夕食の時間に
伺います。何かありましたら
お呼びください」
やがて部屋を出て行き
私は彼とまた2人になった。
先程よりも重くて長い沈黙が流れる。
『…状況説明求めます』
「覚えてへんの?」
『倒れたところまでは覚えてるんだけど …』
「保健室に連れてっても熱下がらんし、
顔色も悪くなる一方やったから
先生達が病院に連れてきたんよ。」
『そっか …』
結局たくさんの人に迷惑かけちゃったな 。
もう思って反省していると
彼の指が私の額をはじいた。
『痛…何するんですか』
その問いに彼は応えず、
ゆっくり口を開いた。
「そーやって、迷惑とか考えてるから
倒れるんやろ。」
『… はい』
彼の言う通りだ。
何故、彼に迷惑だと思っているのが
分かったのかは不思議だが、
こんなふうに考えていてはまたいつか
倒れる。
「…最近、寝れてなかったん?」
『まぁ……って、なんで知ってるのよ』
「看護師さんが言うてた。
極度の睡眠不足と過度なストレス。
僕でもわかるわ、張り詰めすぎやもん。」
少し怒ったような口調で言う彼。
当たり前だ、彼の居眠りより私の方が
よっぽどタチが悪いのだから。
『…ごめんなさい』
私には謝罪の言葉しかでない。
彼は、小さく頷いたあと大きく息をついて
私を見つめた。
“ ちょっとは頼れや ”
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またのお越しを。
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翠恋依(プロフ) - スズメロディーさん» 御久しぶりです!そうコメントを頂けて嬉しいかぎりです。他界隈までありがとうございます…(泣)、効率よく更新出来るよう尽力致します! (4月12日 19時) (レス) id: 7264d0253a (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさん、お久しぶりで御座います!私も吃驚しております…笑。精一杯更新頑張りますっ!! (4月12日 19時) (レス) id: 7264d0253a (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - ひーいれりすさん» お久しぶりです!!こちらこそ、そんなに喜んで貰えて光栄です…!あ、ぜh(( (4月12日 19時) (レス) id: 7264d0253a (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 兎和さん» こちらこそ久しぶりの投稿となり申し訳ないです…。コメントありがとうございます!感想を貰えて幸せです。これからも宜しくです!! (4月12日 19時) (レス) id: 7264d0253a (このIDを非表示/違反報告)
スズメロディー(プロフ) - 久しぶりです!更新ありがとうございますっ!嬉しすぎますっっ!他界隈の小説書いてたの分かってますのでゆっくりで大丈夫です!(そっちも実は見てました)これからも楽しみに待ってます!! (4月12日 12時) (レス) @page32 id: 4f5aa4fdcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/
作成日時:2023年12月22日 15時